世界のベジタリアン料理に夢中です!
こんにちは! 野菜料理家の庄司いずみです。
ベジタリアンの料理、野菜だけの料理というと、サラダやお煮染め、おひたしや和えものなど。和食で考えるとちょっと地味な料理のイメージですが、世界を見渡してみれば野菜料理は本当にはなやか!
私のスタジオでは、さまざまな国の料理家さんをおまねきしてのクラスを企画していますが、教わってみると、パンチがあったり、ボリューム満点だったり、しっかりコクがあったりと、世界の野菜料理は驚くほどバリエーション豊かなのです。
ベジタリアン料理の豊富さで言うと、やはりインドでしょうか。人口の4割がベジタリアンというだけあって、野菜の料理は多種多様。
写真は南インドの炊き込みごはん、ビリヤニですが、野菜たっぷり、スパイシーでおいしい。ボリュームだって満点です。
こちらは北インド料理。米なすのカレー。なすがトロトロジューシーで最高の味。
南も北も、インドのベジタリアン料理なら、「野菜の料理は退屈で……」なんて言わせません! 肉や魚の料理にまけないパンチあるメニューが盛りだくさんです。
こちらはやはりベジタリアン人口が多い台湾素食のメニュー。
素食というのは台湾の精進料理のこと。台湾では人口の14%がベジタリアンで、素食専門店もたくさん。
卵チャーハンのように見えますが、豆腐や野菜で作った植物性100%、錦糸町苓々菜館(りんりんさいかん)の看板メニューです。
素食メニューでは餃子も肉なし、野菜だけ! それでも十分ボリュームあるおいしさです。こちらは池袋の線條(せんじょう)手打餃子専門店のもの。
お次はベトナム。
ベトナムで精進料理というと意外かもしれませんが、仏教の国なので、ベジタリアンでない方も月に3度は精進料理で過ごすのだとか。
この方は、ベトナム料理研究家の香川トアさん。トアさんはベトナム精進料理が大好きで、日本では知られていないベトナム精進を流行らせたいのだとか。
最近人気のベトナムのサンドイッチ、バインミーも精進で! これがとってもボリュームがあっておいしいのです。
これはベトナムの魚のすり身揚げ風ですが、精進メニューでは魚や海老ではなくて野菜のすり身で仕上げるのです。
モロッコはベジタリアンが多いわけではありませんが、肉料理は肉料理。野菜や豆の料理には肉は組み合わせなくてOK! 「100%植物性の料理もたくさんあるのよ」と、モロッコのファティマさん。
モロッコのナショナルフードとも言えるタジンも、鶏やラムのタジンとならび、どこに行っても野菜のタジンは必ずメニューにあります。
ファティマさんの作ってくれるタジンも、野菜だけでも抜群のおいしさ。オリーブオイルやスパイスをうまく使ってコクも十分あるのです。
肉料理は肉料理。野菜料理は野菜だけ。
これはほかの国にも言えることで、たとえばトルコ料理のメゼ(前菜)も野菜100%のものがほとんど。
こちらもスパイスやオイル使いで物足りなさはまったく感じません。
ほかにもスペイン、ムルシア名物の野菜のパエリアや、スーダンの豆のシチュー、イスラエルのフムスやファラフェルなど、野菜や豆のご馳走料理は数え上げればきりがありません。
野菜はたくさん食べたいけれど、あっさりした野菜料理では物足りない。
そんな方はぜひぜひ! 世界の野菜料理や精進料理をお楽しみくださいね!