会津の伝統野菜「余蒔(よまき)きゅうり」とは?
まだ残暑は続きそうですが、時折夏の終わりも感じられる今日この頃、ちょっと淋しい気持ちになりますね。
さて、今日は会津の伝統野菜、「余蒔(よまき)きゅうり」をご紹介しましょう。
「余蒔きゅうり」はきゅうりの在来種。在来種とは「その土地で作り続けて来た種」のことです。
会津の厳しい暑さにも、気温差の激しい気候にも耐えた種だからこそ「伝統野菜」と呼ばれ、人々に長く愛されてきたのでしょう。
江戸時代から作られているそうですが、現在では栽培する農家さんはごくわずかとのこと。残念ですね。
「余蒔」の名は、6月以降霜が降るまで収穫する、露地栽培で作られてきたことを表しています。
「余蒔きゅうり」の特徴は、その見た目。白っぽい表面はまるで瓜のよう。現在、一般的に多く出回っている緑の濃い、ピカピカしたきゅうりとは大きく違いますね。
そして、その淡い色合いに反して味は濃く、旨味が強く感じられます。また、青臭さがとても少ないので、きゅうりが苦手という人にも食べやすいでしょう。食感は柔らかいですが歯ごたえもしっかりとあり、夏の暑い時期、ポリポリと何本も食べたくなります。
そこで、このきゅうりのおいしさを生かした、夏向きの一品、「きゅうりのエスニック風マリネ」を作ってみました。
もちろん、普通のきゅうりでもおいしくできます。きゅうりは肌、爪、毛髪の老化防止に役立つ成分を含む野菜。ぜひ、この時期に積極的にいただきたいですね。
きゅうりのエスニック風マリネ
材料
きゅうり……2本
A酢……大さじ3
A砂糖……大さじ1と1/2
A塩……小さじ1/2
Aナンプラ……適量
香菜……適量
作り方
①きゅうりは皮を縞目にむいて一口大に切る。
②Aを混ぜ合わせ、きゅうりを加えてあえる。1時間くらい冷蔵庫でマリネする。
③食する直前に香菜ちぎってのせる。
きゅうりに多く含まれるカリウムには利尿作用があり、むくみ解消に役立つと言われます。夏バテ気味、体がだるい…、といったときにぴったりの食材です。水分含有率が高く、カロリーがとても低いというのもうれしいですね。
また、きゅうりにはシリカ(ケイ素)とよばれるミネラルが含まれているとか…。切り口から出る、白くて苦みのある成分のことで、髪や爪を強化して光沢を与える効果や、関節を健やかに保ち、コラーゲンの生成を助けてシワのない弾力のある肌を作る、といった働きがあるそうです。
肌も髪も弱りがちなこの季節、ぜひきゅうりを毎日の食卓に登場させましょう。