お話をうかがったのは
岡田 隆さん
Takashi Okada
日本体育大学体育学部准教授(運動器外傷学研究室所属)。理学療法士。日本体育協会公認アスレティックトレーナーであり、自身もボディビルダーとして活躍。近著に『骨格バランス改善メソッド』(ナツメ社)など
背もたれに寄りかかったり、足を組むと、骨格くずれの原因に。
骨盤を動かしたあと(前回の連載参照)に、するべきこととは?
ほぐす
こり固まった骨盤上部の
筋肉をマッサージ
骨盤の後傾状態が続くと、骨盤上部の筋肉や筋膜が硬直します。まずはその緊張をほぐすことから始めます。自分の体重を利用して、ストレッチポールを転がすように使い、硬くなった筋肉を優しくもみほぐします。
※枕を縦に折って、タオルで巻いて代用できますが、転がりにくさはあります。
肋骨下部にポールを当てる
床に座り、片肘を床について、写真のような姿勢をとります。ストレッチポールを背中左側の肋骨下部に当て、お尻を少し浮かせます
ポールを転がして外側筋肉を刺激
上体を頭方向に移動し、ポールを転がして左側の肋骨下から骨盤上部までの部分を往復させ、筋肉をほぐします。右側も同様に、5往復
ここに効く!
骨盤上部をほぐすと前傾しやすくなる
左右の肋骨下部から骨盤上部の間、脊柱横と腰を反らせる動きに働く筋肉群です。悪い姿勢で硬直しやすい部分をほぐします。
伸ばす
腰を反らせて
前弯カーブを取り戻す!
骨盤が後傾した姿勢が長く続くと、腰椎の前弯カーブがなくなり、椎間板への圧力が高まります。上体を反らして、腰部分をストレッチすることで、この椎間板への圧力を取り除き、腰部の筋肉の緊張をほぐします。
腹ばいで肘をつき
腰を反らせる
床に両足を伸ばして、腹ばいになります。両肘を床につき、息を吐きながら、ゆっくりと上体を上げて、腰を反らせて15秒キープ
できる人は
さらに反らす
痛みを感じず、気持ちよくできる人は、腕を伸ばして両手をつきます。息を吐きながら、さらにゆっくりと腰を反らせましょう
お助けGOODS
骨盤立てをサポート!
小さな座面にお尻をぐっと奥まで入れ、またぐように脚を開いて座ると、坐骨の2 点で座る状態に。腰あてに支えられて骨盤が立ち自然と姿勢がよくなる画期的な椅子。
柔らかすぎない適度な弾力の座面が、坐骨で座る感覚をつかみやすく、腰を心地よくサポートして正しい姿勢をキープ。[左] アーユル チェアー オクトパス¥46,000・[右] アーユル スツール¥26,000/トレイン
鍛える
腸腰筋を鍛えて
骨盤位置をキープ!
姿勢維持のための重要な筋肉は腸腰筋。特に股関節を曲げる動作にかかわり、骨盤を立たせるのに活躍します。使わない筋肉は退化します。ここを意識的に使って鍛えることが大切です。
上体を維持して
左足をアップ!
正しい姿勢で椅子に座り、両手を左右のそけい部に当てます。上体はそのまま、息を吐きながら、左足をゆっくりと上げて下げます
次に右足を
ゆっくりとアップ
続いて、同様に右足を上げます。このとき、足を上げる側の腸腰筋を使うように意識することが大切。これを交互に20回×3セット
ここに効く!
腰と脚をつなぐ
腸腰筋を意識して!
濃いピンクの大腰筋、薄いピンクの腸骨筋を総称して腸腰筋と呼びます。右写真の指が当たっている部分で、この筋肉を使って骨盤を立てます。
撮影/城 健太 ヘア&メイク/木下庸子 モデル/栗本奈央 スタイリスト/鈴木由里香
イラスト/かくたりかこ
取材・文/山村浩子