お話をうかがったのは
岡田 隆さん
Takashi Okada
日本体育大学体育学部准教授(運動器外傷学研究室所属)。理学療法士。日本体育協会公認アスレティックトレーナーであり、自身もボディビルダーとして活躍。近著に『骨格バランス改善メソッド』(ナツメ社)など
長時間のパソコン仕事で、知らぬうちに猫背に。
背中上部の筋肉をほぐし、本来の肩甲骨の可動域を回復させることで、正しい姿勢を取り戻そう!
ほぐす
上背部全体の
筋肉の緊張を緩める
猫背で肩甲骨が開いた状態が続くと、閉じるときに使う菱りょう形けい筋きんや僧帽筋(中段イラスト参照)が引っ張られて緊張します。ストレッチポールと自分の体重を利用し、腕を垂直に伸ばすことで、より効率よくほぐすことができます。
1
ポールを肩甲骨に当てる
床に仰向けになり、ストレッチポールを肩甲骨に当てます。膝を曲げ、両腕を垂直に伸ばし、両手を合わせ、お尻を浮かせます
2
上体を頭方向にスライド
膝を伸ばし、ポールを転がしながら、上体を頭方向に移動させます。次に膝を曲げて1に戻る…これを5往復行い、上背部をほぐします
3
左の肩甲骨にポールを当てる
次に、お尻の右半分を床から上げ、体を左に傾けて、左の肩甲骨にポールを当てます。両手は体に対して垂直に伸ばします
4
左肩甲骨まわりをほぐす
膝を伸ばし、ポールを転がしながら、上体を頭方向に移動。続いて3に戻り、左肩甲骨のまわりをほぐします。右側も同様に5往復
伸ばす
肩甲骨の動きにかかわる
胸郭をストレッチ
ポールを背中に当て、腕を頭方向に上げることで、しっかり胸郭を伸ばすことができます。さらに、肩甲骨を前に傾ける筋肉が伸ばされるので、猫背&巻き肩改善に効果的。パソコン仕事が多い人などは、毎日の習慣にしたい。
万歳をしてしっかり伸ばす
ポールを肩甲骨に当て、両手を頭方向に上げて15秒キープ。ポールがあることで、上背部全体をしっかり伸ばして
ここに効く!
菱形筋と僧帽筋、
胸郭にアプローチ
濃いピンクの部分が深部にある菱形筋、薄いピンクが表層にある僧帽筋。固まってしまった胸郭も含めて、ここを柔軟に保つことが大事。
お助けGOODS
体ほぐしにあると便利!
ポールの上で手や足を動かすだけで、簡単に体をほぐしたりストレッチすることができる、姿勢改善に役立つ優れもの。
アイボリー、ピンク、ライトグリーン、イエロー、ネイビーの5種のカラーバリエーション。ストレッチポールEX各¥8,900/LPN
鍛える
肩甲骨の動きをよくし、上背部の筋力アップ!
肩甲骨が外側に動いて開いている状態を「外転」、内側に動いて閉じている状態を「内転」と呼びます。この動作を繰り返すことで、肩甲骨の可動域が広がり、上背部の筋肉が鍛えられることで、正しい姿勢をサポートします。
背中を丸めて思いきり外転
椅子に座り、背中から頭までを丸め、左右の肩甲骨を外転させて開きます。腕を内に回し、手のひらを外に向けることで外転を補助
胸と手を開いて
しっかり内転
背中を反らせ、左右の肩甲骨を内転。腕を外に回して、手のひらを外に向けると、より内転させることが可能。1→2を10回×3セット
ここに効く!
外転→内転で可動域を広げる!
猫背の人は肩甲骨まわりの筋肉が硬直しています。特に内転の動きが悪くなっているので、このエクササイズで柔軟性を高めましょう。
タンクトップ¥6,000・ライトグリーンTシャツ¥8,000・グレーパンツ¥15,000/AWA(スキンアウェア) ストレッチポールEX/LPN
撮影/城 健太 ヘア&メイク/木下庸子 モデル/栗本奈央 スタイリスト/鈴木由里香
イラスト/かくたりかこ
取材・文/山村浩子