お話をうかがったのは
岡田 隆さん
Takashi Okada
日本体育大学体育学部准教授(運動器外傷学研究室所属)。理学療法士。日本体育協会公認アスレティックトレーナーであり、自身もボディビルダーとして活躍。近著に『骨格バランス改善メソッド』(ナツメ社)など
首のコリをほぐして頸椎を矯正する
前かがみの姿勢でのスマホやパソコン作業…前傾した首はやがてストレートネックへ発展します。頸椎の変形予防は、まずはコリをほぐすことから!
日常のたるみ・老け姿勢 3
ストレートネックとも言われる現代病
スマホ首
首が悲鳴を上げる前傾姿勢に要注意!
「頭の重さは約5㎏。しかし、首が前に傾いた姿勢になると、その負荷は18㎏にも! この重さを支えるため、本来前弯しているはずの頸椎のカーブがなくなった、ストレートネックになっている人が急増中。首の前傾姿勢でこり固まった僧帽筋上部をほぐし、首の可動域を広げて、血行を促すケアが必要です」
スマホ首に注意
頸椎の変形や痛みに
発展することも!
下を向いたままの姿勢を長時間続けていると、首の付け根から僧帽筋上部の筋肉が緊張し硬直。やがて頸椎の前弯カーブがなくなると、椎間板に過度な圧力がかかり、頸椎ヘルニアなど痛みの原因にも!
次ページに対処法をご紹介します。
ほぐす
椅子の背もたれで
首の付け根をマッサージ
背もたれの上に首の付け根をのせ、顔を左右に向けることで、首の後ろの伸筋群をほぐします。頭の重さが負荷になる、首や僧帽筋上部など、こりやすい筋肉を、効果的にほぐすことができます。
背もたれに当てて
首の力を脱力
写真のように上半身だけ椅子にゆだね、背もたれの上に首の付け根をのせます。腕で体を支えながら、首の力を抜き15秒キープ
顔を左右に向けて
首全体をほぐす
顔をゆっくり左右に向けることで、首の付け根を広範囲に刺激します。首の緊張をほぐし、血行を促進。10回×3セット
伸ばす
首の後ろと側面を
気持ちよく伸ばして
前傾姿勢でこり固まった首を、さまざまな方向へストレッチ! 頭部を前と後ろに倒し、次に真横左右に、続いて斜め左右に倒します。首と肩をつなげる胸鎖乳突筋や僧帽筋上部を広範囲に伸ばして、首の可動域を広げてあげましょう。
1
両手を後頭部に当て、上半身は固定したまま、頭部だけ手前にゆっくり倒し15秒キープ
2
左右の手のひらを合わせ、指の先であごを押し上げて、頭部を後方にゆっくり倒し15秒キープ
3
右手を左側頭部に当て、左腕を腰の背中側に回して、僧帽筋上部を伸ばし15秒キープ
4
頭部をゆっくり右真横に、続いて斜め右に倒し15秒キープ。左右の腕を替えて、左も同様に
ここに効く!
胸鎖乳突筋と
僧帽筋が伸びる
水色が胸鎖乳突筋、ピンクが僧帽筋。首が前かがみになると緊張する筋肉で、片腕を背中に回すことで、さらにストレッチ効果が高まります。
撮影/城 健太 ヘア&メイク/木下庸子 モデル/栗本奈央 スタイリスト/鈴木由里香
イラスト/かくたりかこ
取材・文/山村浩子