台南・台中の温泉巡り、続いては台中に向かいます。
<台中>
谷關溫泉(グーグアンウェンチュエン)
日本統治時代に広まった温泉は、台湾の人々の知恵や暮らしと融合して独自の文化へと進化。
暖かい台湾の気候の中でヨーロッパ式に水着で屋外で楽しんだり、新鮮な温泉を日本式の貸し切り温泉で贅沢に堪能できます。
神木谷(シェンムーグー)
假期大飯店(ドゥジアダーファンディエン)
五葉松のご神木の力をいただく
ツルツル美肌温泉は優しい硫黄の香り
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台中市和平区東関路一段温泉衖7号
TEL +886 4 2595 1511
1泊2食1名料金
平日1,800TWD~ 休日2,400TWD~
http://www.utopia-holiday.com.tw/
極上の温泉が湧く渓谷で
みんなで幸せを分かち合う
緩やかにカーブする渓流に吊り橋がかかり、両岸を行き来する谷関温泉は、子どもの頃に出かけた日本の温泉地の雰囲気が漂い、懐かしさと親しみを感じます。シンボルになっているのは五葉松の大木。近づくと体がふわっと温かくなるような生命力を感じます。
やわらかな感触の炭酸水素塩泉で弱アルカリ性、肌を滑らかに整えるだけでなく、ほんのり香る硫黄の働きで血行を促進してよく温まります。宿の最上階にある家族湯(貸し切り風呂)は、
入るときに自分で温泉を注ぐ仕組み。注ぎたての温泉に好みの温度で、のんびり裸で入れる至福の露天風呂です。
中医学大学の協力で開発した養生料理の名物は温泉養生薬膳鍋。五葉松にちなんで5つの生薬が入っています。血液循環を活性化する当帰、血糖値や血圧を下げるクコ、胃腸を整える甘草、活力を生み出す川芎(せんきゅう)、血をきれいにする白芍(びゃくしゃく)。野菜やきのこなどさまざまな具材の味と相まって、ほのかに甘味のある深い味わいのスープが絶妙で忘れられないおいしさです。
屋外で水着で和気あいあいとつかる温泉もヨーロッパなどに比べて温度は高め。台湾の人々はみんなフレンドリーで明るい。
貸し切りで入れる家族湯は予約制で、入るときに新しい温泉をためるので温泉の新鮮さが際立ちます。手前には冷泉の浴槽もあり、絶景の渓谷を眺めて至福のひととき。
渓谷と五葉松が眺められるスイートルーム。
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谷関温泉を訪れる人は必ず立ち寄る五葉松の大木。生命力のシンボルとして皆、パワーをもらいにやってきます。
吊り橋で渓谷を行き来する旅情たっぷりの温泉街。
部屋にもかけ流しの温泉が。
名物の温泉養生薬膳鍋は、肉厚の黒きくらげ、地元の山の野菜やきのこの旨味がたっぷり。5つの生薬が隠し味となって、おいしいだけでなく体を整えてくれます。
五葉松にちなんだ5つの前菜。
川海老のおこわは山菜やクコの実もたっぷり。
地元で古くから食べられていた自生のキヌアは、ほんのり甘い粥で。
爽やかな味わいの五葉松ジュースは宿オリジナル。血液循環がよくなる五葉松の葉とはちみつをブレンド。
撮影/三谷 浩 取材・原文/石井宏子(温泉ビューティ研究家) Coordination/Spa Lady Windy
1TWD=3.8円(2017年10月現在)