骨盤が歪むのは、実はこれまでの生活習慣が原因! 今回は骨盤の傾き&歪みの代表的なパターンをご紹介します。
傾き&歪み代表パターン
では、具体的にはどんなふうに傾きや歪みが起こるのか、蒲田先生が診てきた症例を教えていただきましょう。実際にはこれらの組み合わせパターンが多く、多種多様な症状に。自己判断は難しいのであくまで目安と考えて。
(イラスト右から)
前傾
反り腰の状態。座っている時間が長いと、股関節の前側の筋肉や皮下脂肪などの組織が癒着して硬くなり、寛骨が下に引っ張られてしまうのが原因のひとつ。腸腰筋や背筋が緊張するとさらに前傾するので、緩めることが大事。
後傾
腰が反らせない人に多い。体育座りなど骨盤を後傾した姿勢で座り続ける人がなりがち。ひどいと尾骨が前に押し込まれ、仙骨が起き上がるため骨盤は緩んで不安定に。前傾を促す大殿筋やハムストリングスのストレッチを。
横傾
腰に手を当てて鏡の前に立ち、骨盤の高さが左右違う場合、また仰向けで膝を立て、左右の高さが違う場合など。原因のほとんどは脚長差で、数㎜の違い。一度病院で検査することをおすすめ。整体などで指摘される脚長差は不正確で、背骨が傾いて骨盤が傾斜している場合や、股関節の硬さの左右差など、いろいろな原因が含まれます。
次のページでは歪みのパターンをご紹介。
(イラスト右から)
前方へ閉じている
両側の腰骨の間隔が狭い。後屈するとさらに狭くなる人。矯正下着などの締めすぎ、内股座り、横向き寝、乳児期のおむつによる締めつけの影響も。そ径部のストレッチ、内転筋を緩める開脚ストレッチも効果的。
前後に歪んでいる
横向き寝を続けると下側の股関節の可動域が小さくなり、片側が前傾。前傾側はお尻の皮下脂肪が多くつく。スカートが回ったり、後ろのファスナーが後傾している側に移動。前傾側の大殿筋と後傾側の腸腰筋の筋トレを。
(イラスト右から)
上が開いている
ウエストのくびれがなく、腰骨の上の肉づきがいい体型。骨盤の外側の筋肉が硬くなること、硬い布団の上に横向きに寝て圧迫されることなどが原因。腹横筋、大殿筋、多裂筋を鍛えるため、ドローインやスクワットが有効。
仙骨の傾き・ずれ
スカートの中心がずれてしまう人はこれ。仙骨の下側(尾骨付近)を横に引っ張るような大殿筋や梨状筋の癒着などが原因。ケガなどによることが多い。大殿筋に力が入りにくいと感じる側を、入りやすくなるまで筋トレして。
次回は骨盤の歪みの改善法についてご紹介します。
撮影/藤沢由加 ヘア&メイク/渡辺真由美 イラスト/内藤しなこ
構成・原文/蓮見則子