日常の力みグセによって普段、知らず知らずのうちに行ってしまっている浅い呼吸。前回は、その浅い呼吸が招く悪い連鎖についてご説明しました。ここからは5回にわたって、深く呼吸するための正しい呼吸法をさまざまにご紹介していきます。
ふくらんで、しぼんで、巡らせる!
"よい呼吸"を知ろう
大呼吸と深呼吸はまったくの別もの
まず、いつも通り深呼吸をしてみてください。あなたは次のような状態になりませんでしたか? ◆あごが上向き上半身がのけぞった。◆胸とお腹が大きく前にふくらんだ。◆両腕が脇から離れた。「これらはすべて"大呼吸"です。大呼吸とは、息が体の前面に散らばっていく浅い呼吸。一方、深呼吸とは、体の中心を通ってストンとお腹の奥へ落ちていくような深い呼吸を指します」と森田先生。
息を吸うと体の体幹部分が風船のようにふくらみ、吐くとしぼみます。呼吸は、この「ふくらむ・しぼむ」といったリズムに従い、体の中心から手足の末端へ、そして末端から中心に向かって、血液、リンパ、体液などと一緒に全身を巡っていきます。
「正しい呼吸によるスムーズな呼吸循環こそが、人間の自然治癒力を向上させ、健康な体へと導くカギ。体の中心に収まるよい呼吸を、この機会にぜひ覚えてください」
呼吸力を確認
浅い呼吸
深い呼吸
次のページで、正しい呼吸法を伝授します。
息を深く吸うための
基本呼吸法
1 椅子に座り、小さく前へならえの格好で背中をやや丸くします
2 お腹全体を凹ませたまま、両手を前に伸ばし手のひらを合わせます
3 合掌した手の親指を軽く胸につけ、肘が前に出ているポジションを作ります。そのまま背中をふくらませるように、鼻から息を吸います
息を吐ききるための
肋骨呼吸
いかがでしたか? 普段、無意識に行っている呼吸ですが、改めて正しい呼吸法を実践してみると違いに気付きますね。
撮影/城 健太 ヘア&メイク/木下庸子 構成・原文/上田恵子