足のアーチの崩れが原因となるさまざまな足のトラブル。いちばん多い悩みとして【外反母趾】をご紹介しましたが、ほかにも意外なアーチの崩れによるトラブルが。引き続き桑原先生におうかがいしていきます。
まだある! アーチの崩れ(扁平足)が招くトラブル
最近増えている下記のような疾病も、足の構造が崩れてしまったことが要因。疑いがある人は早めに専門家に相談して。
【足底腱膜炎(そくていけんまくえん)】
アーチが崩れ、足の裏で衝撃を吸収できずに炎症を起こすトラブル。ランニングをしている人にも多いよう。足の裏やかかとが痛い、朝起きて最初の一歩が痛い、などの症状。
足裏にある足底腱膜(連載第4回参照)に起きる炎症。痛みが強い場合は湿布やアキレス腱のストレッチを
足底腱膜炎には体外衝撃波治療もあります
足底腱膜炎に対して保険が適用されるのが体外衝撃波治療です。麻酔もいらず、1回30分程度、衝撃波を照射
写真提供/足のクリニック 表参道
【モートン神経腫(しんけいしゅ)】
中指と薬指の付け根に感じるしびれや痛み、ひりひり感が特徴です。神経の痛みの原因も足の構造の崩れ。インソールで炎症を緩和するのが基本。
足の構造上、中指と薬指の付け根の神経に炎症が起こりやすい
【強剛母趾(きょうごうぼし)】
親指の付け根が痛むため、外反母趾や痛風と間違えがち。原因は外反母趾と同じですが、親指を甲のほうに曲げられなくなり、進行すると関節の破壊にいたるのが強剛母趾です。
指の付け根の分岐点で、神経が炎症を起こす疾患です
親指を反らせることができず、踏み返すと痛い!
親指の付け根がかなり強く痛みます
痛みや変形の原因が、足にあってない靴の場合もあります。次ページに続きます。
靴による足指の変形
アーチの崩れに加え、合わない靴を履き続けていると、歩くときに指で踏ん張るため、関節が曲がった状態で固まり、変形してしまいます。指が動かせるうちに受診を。
指の先端からふたつ目の関節=第2関節が曲がって変形しているのがハンマー(金槌)型
マレット(木槌)型は、指の先端の関節=第1関節が曲がって変形した状態。指先が丸まってしまうのが特徴
指の付け根の関節が通常の状態より伸びていて、第2関節が変形している症状は、クロー(かぎ爪)型
足のクリニック 表参道
東京都港区南青山5-6-24 南青山ステラハウス3F ☎03-6434-1082
診療内容:足の一般外来(保険適用あり/足の検診メニューあり)
診療時間:月~土曜/10:00~13:30、15:00~19:00
日曜/一部診療 休診日:祝日
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子