お尻の筋肉は「立つ」「歩く」など、日常生活での重要な動作を支える大切なパーツ。ところが日本人は骨盤が後傾している人が多いため、その筋肉が衰えやすいそう。将来、腰痛や歩行困難を防ぐためにどのような対策が必要なのでしょうか? 今回はお尻の筋肉が衰える原因とその強化法についてご紹介します。
骨盤が後傾している日本人は
お尻の筋肉が衰えやすい
残念なことに、日本人は特にお尻の筋肉が衰えやすいのだとか。
「理想的なお尻とは、アスリートのように、丸みがあって後ろにキュッと突き出た〝ダチョウ〞のようなお尻です。このようなお尻は、骨盤前側の深部にある腸腰筋(大腰筋・小腰筋・腸骨筋)が発達していて、骨盤が前傾しているのでお尻がキュッと引き上がっています。腸腰筋は脚を垂直に引き上げるときに使われますが、この筋肉がよく使われると骨盤が前傾し、お尻の筋肉も使われ、鍛えられます。でも日本人は骨盤が後傾している人が多く、腸腰筋が使われにくいので、お尻の筋肉も衰えやすいのです。ですからお尻力を高めるなら、お尻の筋肉に加えて、腸腰筋を鍛えることも不可欠です」
お尻まわりの筋肉を緩めてから鍛えて
効率よくお尻力強化
お尻力を高めるために必要なのは骨盤を前傾させること。そのために松尾さんがすすめるのが、次ページで紹介する3ステップの体操。
「まず最初のステップが硬くなっているお尻の筋肉を〝緩める〞こと。お尻まわりで鍛えるべき腸腰筋などの筋肉は骨盤の深部にありますが、私たちは通常、体の外側の筋肉ばかり使っていてそれらが硬くなっています。すると腸腰筋などの深部の筋肉が使われにくくなるので、まずストレッチで硬い筋肉を緩めます。特に裏ももの筋肉が硬いと骨盤が後傾し、お尻の筋肉も衰えるのでこの筋肉を中心に緩めます。次のステップはお尻を〝整える〞こと。骨盤を前傾させる体操で腸腰筋にスイッチを入れます。3つめのステップは〝鍛える〞ことで、脚を上げる動きなどで腸腰筋やお尻の筋肉をさらに鍛えます。この3ステップを続けると階段も笑っちゃうほどラクに上れるようになり、将来の寝たきりも防げますよ」
次はお尻まわりの筋肉の仕組みなどをご紹介!
●お尻まわりの筋肉
●お尻を鍛えるための3ステップ
STEP 1
緩める
座り仕事が続いたり、あまり歩かなかったりすると裏ももの筋肉など、お尻まわりの外側の筋肉が硬くなり、深部の筋肉が使われず衰えます。まずはストレッチで筋肉を緩めて
STEP 2
整える
お尻を突き出すスクワットや、脚を90度以上まで上げる体操で、使われずに怠けている腸腰筋を目覚めさせて骨盤を前傾しやすくするステップ。丸みのあるお尻を作る効果も
STEP 3
鍛える
体を左右にスライドさせる動きや、階段上りの動きで、腸腰筋やお尻まわりの筋肉をさらに強化。左右のお尻の筋肉のバランスが整い、階段がスイスイと上れるようになる効果が
私もお尻を鍛えてみました!
鈴木ハル子さん
トータルビューティアドバイザー
お尻の筋肉の重要性を感じて、松尾タカシさんのトレーニングに通っていた経験を持つ
お尻を鍛えたら、疲れにくくなりました!
「以前ダンスの先生に〝お尻の緩みは全身のたるみのサイン〞と言われ、お尻は健康の要だと実感。松尾先生のレッスンに3カ月通ってお尻を鍛えたら、疲れにくくなり形も整いました。普段もちょっと疲れていても階段を使うようにして鍛えています」
次回はお尻を鍛えるための最強3ステップ体操をご紹介します。
撮影/永躰侑里 ヘア&メイク/木村三喜 モデル/くらさわかずえ スタイリスト/本瀬久美子 イラスト/かくたりかこ 構成・原文/和田美穂