快がわかれば不快がわかる。
夏の重ね着は気持ちいい
夏は暑いので冷えに無防備になりがち。でも、冷房過剰な現代では冬より夏のほうが冷えは深刻です。
35年のキャリアを持つ鍼灸師で、冷えとり名人の田中美津さんが、"明るく養生、元気に不摂生"をモットーに、体も心もラクになる"好い加減"な夏冷え養生法を伝授します。
今回は、冷えないためにすぐできる「着るもの対策」の基本、“重ね着”についてのお話です。
速乾性インナーで下半身の冷えをガード
【基本はショーツ1枚、スパッツ2枚】
冷えを入り込ませないためにすぐにできる養生は、着るものに気をつけること。夏は薄着の季節ですが、屋内はどこも冷房がかかっているので、衣類で防寒はマストです。
「特に下半身の防衛がキモ。みんな上は羽織ものでカバーするけど、足元は油断しがち。素敵なスカートをはいて生足にサンダルとかね。すると"すそ風"といって、足元から冷気が入り込んじゃうのよ」
東洋医学では足は腎に関係。足を冷やせば命の根幹である腎臓が衰え、卵巣や子宮も悪くなります。結果、頻尿、膀胱炎、腰痛、むくみ、扁桃炎、月経痛、子宮筋腫などを病むことに。
そこで美津さんが提唱しているのが「ショーツ1枚、スパッツ2枚」。夏には暑くてムレそうですが⁉
「素材を選べばいいの。綿は一見よさそうだけど、汗で湿るとずっと湿ったままだからNG。おすすめは、吸水性と速乾性に優れている絹のショーツとアウトドア用の高機能素材のスパッツ。やってみると気持ちよくてやみつきになりますよ。だからまずはトライしてみて。この心地よさを知れば、自分がいかに冷えていたかがわかるから」
とはいえ、人は冷えとりのために生きているわけではないから、"ここぞ"というときにはミニスカート に生足で勝負してもOKだそう!
「そのときにダメージを受けなくてもすむように、普段からスパッツ 2 枚を基本にしましょう。不摂生を楽しむには日頃の養生が物を言うのよ」
次ページでは、おすすめのインナーをご紹介!→
COCOONA SKINWEAR (コクーナ スキンウェア)
ブランドディレクターが「おへそまである、おしゃれなショーツが欲しい」という声に応えて作ったシルクのショーツ。ブラとセットも可。自信作です。ショーツ¥3,800・ブラジャー¥4,900/OurAgeストア
モンベル
「これは型崩れしにくく丈夫で長持ち。吸水・速乾性に優れ着心地も最高!」と美津さんも絶賛。ジオライン L.W. タイツWomen’s¥2,762/モンベル・カスタマー・サービス
次回は、着るもの編②夏の冷え対策コーディネートをご紹介します。
撮影/山崎 誠 イラスト/しおたまこ 構成・原文/石丸久美子