56歳からでも間に合う「脳トレ」。やる気が出てるミーナです。脳内神経伝達物質を活性化するには、適度な運動も大切だそう。エクササイズって、体だけでなく、頭にも重要なんですね。運動不足なので、ガンバらなくちゃ~
脳を健やかに育てる「脳トレ生活」
長年、人工知能のエンジニアとして脳の研究をしてきた黒川伊保子さん。
脳を「装置」として見立て、どのような入力に対してどのような演算が行われ、どう出力されるのかを追求してこられました。
そこで、脳の専門家である黒川先生に、脳を健やかに育てるための術を7つ伺いました。
今回は、脳育てに最適な、体も頭もやわらかくする方法をご紹介します。
【3】
いつもと違う筋肉を動かす
「好奇心」と「集中力」を
作り出すのは運動だった
脳神経回路は毎日書き換わりますが、新しい回路を作り出すためには「好奇心」と「集中力」が必要になります。好奇心がないと新しいものを取り入れるのがつらくなるし、集中力がないと頭の中が散らかってしまう。このふたつは、とても大切な要素なのです。
好奇心は「ドーパミン」、集中力は「ノルアドレナリン」という脳内神経伝達物質から生まれます。そしてこれらふたつのホルモンを同時に作り出すためには、適度に運動をすることが必要になります。
脳神経回路をより洗練させるには、体を動かすという作業が欠かせないのです。理想的なのは、ウォーキングのような「少し汗ばむ程度の有酸素運動を30分~1時間続けること」といわれています。スポーツ以外にも、家事、楽器演奏、歌うことなども効果があります。
体の硬さは、頭の固さ!
筋肉はまんべんなく動かす
また、筋肉の収縮は「交感神経系」に、筋肉の伸張は「副交感神経系」に働くなど、筋肉の動かし方と刺激される脳の部位には、深い関係があります。そのため筋肉の動かし方が偏ると、思考までもが偏ってしまうことに。
体の硬さは頭の固さ! 気持ちが落ち込んだりイライラしたりするときは、後ろ向きに歩くだけでも気分が変わることがあるので、試してみてください。寝る前にヨガなどのストレッチを行うと、より効果的です。
後ろ向きに歩く
ヨガをする
◎Key Point
● 脳神経回路は毎日書き換わる。新しい回路を作り出すには、好奇心(ドーパミン)と集中力(ノルアドレナリン)が必要
● ドーパミンとノルアドレナリンを同時に出すためには、適度な運動を行うのがベスト。できるだけいつもと違う筋肉を動かすことを意識して
黒川伊保子さん Ihoko Kurokawa
profile
1959年生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリにて、14年にわたり人工知能(AI)の研究開発に従事。後にコンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年に感性リサーチを設立
http://www.ihoko.com/
次回、脳育て術の4つ目では、脳の活性化を促す脳トレについてのご紹介です。
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子