2泊、3泊、1週間と暮らすように過ごして「いいお湯」のパワーをたっぷり享受すれば、心も、体の内外からもデトックス! 大分県の長湯温泉はそんな温泉ステイが楽しめる素敵な場所。今回から4回に分けて長湯温泉の魅力をたっぷりご紹介します!
プチプチ泡が弾ける感動の炭酸泉。
外湯を巡ってのんびり温泉散歩
長湯温泉
● 大分県 長湯温泉
ミネラル豊富な源泉が2種類、高温の温泉で体を温めたら31.9℃の炭酸泉へ。(ラムネ温泉館)
長湯温泉は九重(くじゅう)連山の麓の小さな温泉地、ここに驚きの温泉が湧いています。入浴すると肌にびっしりと銀色の泡、触れるとプチプチと弾ける炭酸の温泉です。天然の温泉でこのような現象が楽しめるのはとても稀少です。炭酸ガスは揮発しやすいので、温度が高いと入るときには泡がつくほどではなくなってしまい、温度が低いとそのままでは冷たくて心地よく入れません。源泉が体温に近い30〜40℃くらいで、しかも炭酸ガスが豊富という条件が重ならないと実現しない、奇跡の偶然なのです。
この温泉に魅せられて、もっとゆっくり滞在して心や体を癒したいというリピーターのために、ロングステイが気軽にできる素敵な施設ができました。B・B・C長湯は暮らす気分で滞在できる宿。竹田市が立ち上げた「温泉療法保健システム」は、旅行者でも3泊以上滞在すると入浴や宿泊などの補助が返金される制度。長湯温泉観光案内所でパスポートを発行してもらえます。暮らしに根づいた外湯も多く、住民気分で入れる共同浴場やドイツの温泉施設をイメージした外湯など、散歩や買い物がてらいろいろな温泉へ。それぞれの源泉は少しずつ温度やミネラルバランスが違い、どれも二酸化炭素ガスが豊富。
なかでも〝肌に泡がつく〞という感動体験ができるのがラムネ温泉館、誰でも気軽に立ち寄れる外湯です。二酸化炭素ガスはゆっくりと体の血行を促進し、ポカポカとしてリンパの循 環もよくなり、肌はツヤツヤ、むくみも自然に解消されて顔も足首もすっきり。街中に飲泉場があるので、ヨーロッパの温泉地にいるように少しずつ温泉を飲んで内臓も活性化。内から外からデトックスをサポートします。
温泉暮らしのよさはその日の気分で予定を決められること。どこにも出かけずに夕方まで本を読んで過ごしたり、道の駅で朝どれ野菜や干し野菜を買い込んで部屋のキッチンで料理したり、パンが食べたくなったら路線バスで竹田の城下町へ出かけたり、滞在が長いときには、車で1時間ほどの由布院温泉や黒川温泉へプチ旅行に出かけることもできます。温泉地に自分の家があるような幸せは、1泊2日の旅とは違う新しい発見の連続です。
ラムネ温泉館
飲むこともできる稀少な天然の炭酸泉に入れる外湯。建築家・藤森照信氏が初めて手がけた温泉施設は、焼き杉と漆喰のストライプが印象的。体中の血がぐるぐる回って発汗、ポカポカ温まりが持続します。
肌に炭酸の泡がびっしりついてプチプチと弾けます。
DATA
☎0974-75-2620
♨ ¥500 10:00~22:00 内湯+露天=各1、貸切風呂3、源泉かけ流し、含二酸化炭素ーマグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉、㏗6.5ほか、飲泉あり
すべすべ デトックス
御前湯
大浴場も貸切風呂もとても贅沢な広さ。飲泉場で内臓も温めて活性化。食堂でラーメンなどを注文すると温泉街の店から出前が!
貸切風呂50分¥2,000
ドイツの炭酸泉の街バートクロチンゲンと提携して建てた共同湯。濁り湯になるほどミネラルや炭酸成分が豊富。
DATA
☎0974-64-1400
♨¥500 06:00~21:00
内湯+露天2(日替わり)貸切風呂4、源泉かけ流し、マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉、㏗6.9など3本、飲泉あり
すべすべ デトックス
次回は、武家屋敷が広がる城下町、「竹田城下町」にあるとっておきのお店をご紹介します。
*[泊]=宿泊料は特に記載のないかぎり、2名1室の場合の1泊2食付き平日1名分の料金(税別)です。宿やホテルにより、別途サービス料や入湯税が加算される場合もあります。
*宿泊日、部屋、料理プランなどによって料金が異なります。
*料理は日によって変わることがあります。
撮影/三谷 浩 杉本 圭 石井宏子 イラスト/かくたりかこ
取材・文/石井宏子(温泉ビューティ研究家)