日本の地方のモノづくりから発見。
金属アレルギーの人でもOKのチタンアクセサリー
こんにちは小野アムスデン道子です。
今回は、金属アレルギーで悩む人に嬉しい発見。それは、新潟の「燕三条 工場の祭典」に出かけた時に見つけた、「レジエ」という会社の、金属アレルギーの人でも身につけられるチタン製のアクセサリーです。
「燕三条 工場の祭典」とは、2015年10月1日から4日間にわたり、モノづくりの企業が一般に工場を開放するというイベントでした。「レジエ」はそんな地方の小さな工場ですが、世界で初めて精密鋳造チタンアクセサリー用のチタン溶解炉を自社開発したメーカー。まずは、金属アレルギーがなぜ起るのか、またチタンはなぜアレルギーを起こしにくいかを聞きました。
金属アレルギーは、汗や唾液などの体液で溶け出した金属イオンが、皮膚のタンパク質と結合して出来たアレルゲンが起こす炎症。アクセサリーの中には、合金やメッキ加工のものも多く、金属アレルギーのかぶれが出来てしまって困っているという人のことをよく聞きます。チタンは酸素と結びついて不動態という高い耐食性を持つために、体液などで溶け出すことがありません。なので、金属アレルギーが発生しにくく、体内にあっても適合しやすい金属なのです。「レジエ」では、この金属の特質を生かし、過去にヒトの骨接合手術機器や馬のハミなども作っていました。なんと馬にも金属アレルギーがあるので、やはり身体に触れるものはチタンが向いているそうです。
もともと「レジエ」はチタンを使ったゴルフのドライバーヘッドを作るメーカーでしたが、大手ゴルフメーカーとの競合もあり、新しい商品として臨んだのが、世界初の精密鋳造チタンアクセサリー。チタンは耐食性、耐熱性が高く、軽くて強度も強いという性質を持ちますが、そのことが逆に加工の際、工具に熱や摩擦の負担がかかったり、切断しにくい、チタンくずが発火しやすいという、加工が難しい原因になっています。「レジエ」では、自社開発した世界初という極小チタン溶鉱炉を使い、銀で型をとった立体的なアクセサリーを鋳造して作っているのです。チタンは、銀よりも重さが軽く、強度は銀よりも高いのが特徴です。ペンダントヘッドを手にのせて見ると、確かに軽い。ピアス、ネックレス、リングなどのアクセサリーは、デザインも豊富でした。
レジエを訪れるきっかけになった「燕三条 工場の祭典」は、江戸時代の和釘づくりから始まった鎚起銅器(銅を鎚で打って作る金属工芸)や工具などの加工技術を誇るモノづくりの現場を「見て、体験してもらおう」と68もの工場を一般に開放した、大人の工場見学イベント。燕市と三条市は新潟の地方都市ですが、包丁の「タダフサ」や爪切りの「諏訪田製作所」、アウトドア用品の「スノーピーク」など世界的にも知られるメーカーもあって、発見に満ちたイベントでした。