心身の元気を取り戻すには、タンパク質がもっと必要だった!
健康のためには野菜中心の食事がいい。そんな考えのもと、肉を中心とした高タンパク質の食材を敬遠している人も多いのでは? しかし、最近では、心身の不調や病気、肌や髪の老化の予防、筋肉や骨の強化、健康的なダイエットに欠かせない栄養素として、"タンパク質"をもっと積極的にとるべき! という考えが主流に。
いつまでも健康で病気知らずで、若々しくいるために、タンパク質をいかに毎日、上手に効率よくとるか? が課題。正しい知識と、実践する際のコツや注意点をマスターして、正しい"タンパク質"ライフを送りましょう!
PART1
圧倒的に足りていない!
日本人のタンパク質事情①
あなたは十分にタンパク質を摂取していますか? と聞かれて、自信を持ってYesと答えられる人は少ないのではないでしょうか? 今の日本人はタンパク質不足と言われています。その背景とは?
ここでは日本人のタンパク質事情についてお2人の先生に教えていただきます。
まず、あなたのタンパク質美人度&タンパク質不足度のチェックしてみてください。
藤田紘一郎さん Koichiro Fujita
1939年生まれ。東京医科歯科大学名誉教授・医学博士。
専門は寄生虫学、感染免疫学。
免疫、腸研究の第一人者。腸や長寿食に関する著書多数。
近著に『50歳からは肉を食べ始めなさい』(フォレスト出版)
本多京子さん Kyoko Honda
医学博士・管理栄養士。NPO日本食育協会理事。
日本体育大学児童スポーツ教育学部で「子供の食と栄養」を担当。
テレビや雑誌などで健康と栄養に関するアドバイスを行う。
著書は60冊以上
50歳からは
タンパク質たっぷり! が正解
健康食=野菜中心の粗食と、長い間信じられてきて、ダイエットやメタボ予防には肉を減らし、カロリーを控えるのが常識。特に肉は健康の大敵と考えられてきました。しかし、実はそれは大きな間違いです」と藤田紘一郎先生。
こうした間違ったダイエットからか、タンパク質の摂取量は年々減り、現在の日本人は大きく欠乏して栄養失調になっているケースが少なくない、と言います。
「特に70歳過ぎの高齢者は深刻です。実は肉を控えて減量することは、若い頃はまだいいのですが、50歳からは体のシステムが変わるため、それに合わせて食事内容を見直す必要があります」
私たちの体は、エネルギーを生成して体を動かすエンジンを2種類搭載しています。①「解糖エンジン」→瞬時に大きな力を出すのが得意で、生殖活動にも使われるため、別名「子作りエンジン」。②「ミトコンドリアエンジン」→持続性に優れる、「長生きエンジン」です。
「ちょうど50歳前後は男女とも更年期を迎え、ミトコンドリアエンジンにシフトする時期です。これは酸素を使い、タンパク質を材料にしてエネルギーを作っています。よってタンパク質をしっかり摂取して、上手に稼働させることが、健康で長生きするための条件なのです」
次回からは、美・健康・長寿にとってなぜタンパク質が欠かせないのかという、5つのTOPICSをご紹介していきます。
撮影/鈴木泰介 スタイリスト/中野径恵 取材・原文/山村浩子
監修/本多京子 藤田紘一郎 撮影協力/UTUWA