どんどん暑くなる季節。
気になる汗の予防策を紹介します。
食生活、生活習慣の工夫でにおわない体になる!
毎日のお風呂や運動の習慣づけ、若々しくすっきりとした体を保つ食生活など、普段の生活の中で無理なく取り入れられる、多汗&ニオイの予防策を紹介します。
夜の入浴でたっぷり発汗。
血行促進でニオイの元を軽減
ゆっくりと湯船につかって血行を促し、日中、体内にたまった疲労物質の乳酸を減らすことで、汗に含まれるアンモニアも減少します。湯船にはコップ1杯の酢を入れるのがおすすめ。「酢に含まれるクエン酸には殺菌作用があり、皮膚を弱酸性に保って雑菌の繁殖を予防。アンモニアなども抑えられるので、加齢臭対策にもなります。湯船につかれない場合は、両手両足を熱めのお湯に10~15分つけるのもいいですね。汗をたっぷりかき、多汗の予防になります」(五味先生)
ミョウバンの水溶液は
全身の制汗&ニオイ対策に活躍
ニオイ予防に活用したい制汗剤ですが、市販のものは制汗作用が強力なため、体温調節にかかわりのない脇の下と足にしか使えません。「作用が穏やかで全身に使える、安全な制汗剤は手作りしましょう。ミョウバンや重曹を水に溶かして水溶液を作り、スプレー容器に入れ、ニオイが気になる部分にスプレーするだけ。特にミョウバン水はおすすめです」(五味先生)
汗腺トレーニングで
いい汗をかく習慣づけを!
「40歳を過ぎると汗腺の働きが鈍くなり、ねばねばしたニオイの強い部分汗をかくことが多くなります。いかに汗腺の機能を高め、全身にまんべんなく汗をかけるようにするかが重要です。そのためには、ウォーキングなどの有酸素運動や、入浴で汗をかくといった〝汗腺トレーニング〞を行うことが有効。脳から遠いところにある汗腺ほど、退化しやすいので、特に肘先や膝下の汗腺を鍛えると、全身の機能が高まります」(五味先生)。1~2週間続けていると、少しずつ気持ちいい汗がかけるようになり、自律神経の働きも良好に。エアコンに当たりすぎると、汗をかかない環境になってしまうので逆効果。注意しましょう。
食生活の工夫で
体の中からニオイを撃退
体のニオイと食生活には深いかかわりが。加齢臭を予防するには、元になる活性酸素を抑えるビタミンCやE、カロテンなどのポリフェノールを豊富に含む抗酸化食品が◎。緑黄色野菜や果物を積極的にとりましょう。また、それ自体に消臭&ニオイ抑制効果や抗酸化作用がある海藻類もおすすめ。口臭予防には、口内の雑菌の繁殖を抑制するカテキンやクエン酸が有効なので、緑茶やウーロン茶、梅干しを活用して。「腸の健康が見直されていますが、腸にいいものは、全部ニオイ対策にもいいです。腸内バランスを整える3本柱、食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖はニオイ予防にも貢献してくれます」(五味先生)
五味常明さん
1949年生まれ 「五味クリニック」院長
一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。体臭多汗研究所を設立し、五味式のワキガ治療法を確立。患者の心のケアをしながら、外科的手法を組み合わせる「心療外科」を提唱。体臭・多汗治療の第一人者として、TVや雑誌など各メディアで活躍。著書多数。www.gomiclinic.com
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/蕨 康子