ミラクル免疫力をつけると、老けない!
今回からスタートのこの連載では、書籍『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』(集英社刊)から、免疫力をアップしてアンチエイジングライフを叶える方法をお伝えしていきます。ミラクル免疫力をすぐに実践できるレシピも、続いてご紹介。ぜひお役立てください。
はじめに
2012年4月18〜20日の3日間、大分県由布市で海外からアンチエイジングの権威を招聘して「アンチエイジングサミットin由布院」が開催されました。
2011年に発生した東日本大震災とそれに続く福島での原発事故と放射能汚染の時代をいかに生き抜くかというのがテーマ。会議では特にアンチエイジング医療の立場から、自らの健康を守るために、いま日本人に何ができるのかに関して活発な議論が交わされました。
アメリカを代表する自然療法医学の権威であるジェームズ・ウイルソン先生は、原発事故から1年が経過した現時点での日本では、放射能に汚染した食品を摂取する際におきる内部被曝による身体的ストレスばかりでなく、絶えず危険に身をさらしている心理的ストレスや、将来の不安に対する精神的ストレスは計り知れない、と警鐘を鳴らしました。
また、フランスの放射線環境医学の第一人者であるボルドー大学のジャン・フランソワ・ナルボン教授は、今後日本国民が放射能に対して解毒力を高めていくことが重要、との見解を示しました。高い免疫力を維持してストレスに打ち勝てる体力と精神力を持つことが、放射能汚染を避けられない日本を生き抜くためには必要であることを、このサミットで再確認したのです。
著書『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』では、免疫力を維持するために必要な食材、食事に関して栄養学的な観点から解説を試みました。野菜に含まれるフィトケミカルには体の免疫を刺激する機能性成分が含まれています。しかし、野菜の栄養価は農薬や流通システムにより昔に比べて低下しています。日本では有機野菜はスーパーマーケットでもごくわずかしか手に入らないので、農薬の問題だけではなく栄養価という観点からも免疫力を維持するのが難しくなっているのが現状です。
本の中で、対談に登場していただいた杉田かおるさんは、そんな有機野菜の重要性をいち早く理解され、自ら野菜作りに挑戦されている女優さんで、「野菜のすばらしさ」を対談の中で解説しています。年をとると免疫力が下がり風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。また、がんの多くは免疫力が下がった結果として細胞の異常増殖が起きることで発症してくると考えられています。インフルエンザやがんを予防するためにも免疫力を維持する食品の摂取が必要であることに異論はありません。
本書では食品の栄養価だけでなく摂取量と栄養価の関係が免疫力の維持に大切であることを力説していますが、この摂取量と栄養価の関連性こそミラクル免疫力の秘密なのです。ここではさらにミラクル免疫力をすぐに実践できるように実践編としてのレシピもつけましたので、今日から免疫力をアップするアンチエイジングライフを実践してもらえれば、私の望むところです。
白澤卓二
『ミラクル免疫力をつけると、老けない!』(集英社 1,100円+税)
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-333127-5&mode=1
次回は、健康に生きるために必要な免疫システムや、どんな食べ物が免疫力を強化するかなどについてご紹介します。
撮影/奥谷 仁 編集・構成/遠藤励子