閉経以降の体の若さを保つには
骨盤底筋(こつばんていきん)と腟の若さ、骨量をキープ!
閉経後は女性ホルモンの分泌が欠乏して、骨盤底筋や腟が緩み、骨こつ粗そ しょう症しょう予備軍になる心配も…。
まずは筋力の衰えや骨量減少を食い止めて、50代の体を老年期まで絶対にキープしたい!
膣を若く!
女性ホルモンの減少に負けず、
腟の弾力を維持したい!
ここでは2回に分けて、肌同様年齢とともに弾力が失われていく膣を若く保つための解決策をご紹介。
今回は、不快な症状の改善は婦人科へ! というお話です。
解決策①
M e d i c a l Tr e a t m e n t
苦痛なときは婦人科を受診しましょう
「閉経後は〝腟内フローラ(腟内細菌叢)〞を守るデーデルライン桿菌がいなくなりますが、ホルモン補充療法(HRT)により復活させることができます。HRTには内服薬、塗り薬、貼り薬などのチョイスがあるのですが、乳がんや子宮体がんの既往歴がある人、治療が不安な人には、副作用のほとんどない腟座薬がおすすめです。腟座薬は局所に作用し、不快症状を改善するからです」(松峯先生)
腟だけでなく、ほかの更年期症状も軽減したいという場合は、医師に相談して内服薬、塗り薬、貼り薬を併用するといいでしょう。
「一方〝薄くなった腟壁を厚くしたい〞という場合はヒアルロン酸の注入、炭酸ガスレーザーを照射する方法がありますが、腟の緩みを根本的に改善するには、腟壁を縫い縮める〝腟縫縮術〞が最終手段となります。自分に合った方法で腟の若さを底上げしましょう」(松峯先生)
■レーザー治療■
■ヒアルロン酸注入の注射■
松峯寿美さん Hisami Matsumine
1946年生まれ。東峯婦人クリニック院長。医学博士。日本産婦人科学会専門医。
東京女子医科大学、同大学院卒業。
1980年に開業以来、妊娠・出産・更年期・老年期まで、
婦人科系のQOL(生活の 質)を保つ医療を実践。
骨盤底筋トラブルの治療や子宮脱を改善する経腟手術なども行う。
『女性の医学BOOK』(永岡書店)など著書多数
福岡由理さん Yuri Fukuoka
1982年生まれ。理学療法士。
東峯婦人クリニックにて産前・産後の骨盤底筋ケア、更年期以降の尿もれ、
骨盤臓器脱の予防・改善に有効な骨盤底筋トレーニングを指導している。
全身のバランスを整えて不調を改善する理学療法を行う。
共著に『ウィメンズヘルスと理学療法』(三輪書店)など
次回は、解決策②セルフケアについてご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/大石久恵 監修/松峯寿美、福岡由理