普段、何気なく入っているお風呂。実は、もっと健康や美容に効く入り方があるのです。そこで、不調別や目的別のお風呂の入り方を、入浴医学の第一人者・早坂信哉先生に教えていただきました。お風呂の健康効果をさらに実感すること間違いなし!
東京都市大学人間科学部学部長・教授。20年にわたり3万人以上の入浴を調査。お風呂や温泉の医学的研究の第一人者。著書に『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)など
不調や目的に合った入浴法で効果を高めよう
忙しいからとシャワーですませる人も多いと思いますが、お風呂には医学的に明らかになっている健康効果が多数あります。
「お風呂には、温熱作用や静水圧作用、浮力作用など7つの健康作用(下記参照)があります。これにより、免疫機能の向上や、自律神経の調整、血流改善、基礎代謝や体内酵素の活性化、精神的ストレスの軽減、睡眠の質の向上などの効果が得られることがわかっています。
ただ、お湯の温度は1℃の違いでも体に与える効果は変わり、入り方次第で効果が半減することも。私が長年の研究で導き出した、疲れが取れる基本の入浴法や、不調別・目的別の入浴法で効果を体感してください」(早坂信哉先生)
お風呂の7つの健康作用
1. 温熱作用
お湯の温熱作用で体が温まり、血管が広がって血流がアップ。新陳代謝が活性化して、疲れが取れます。
2. 静水圧作用
水圧で体が軽く締めつけられた状態になるのが静水圧作用。これによって血行が促進し、むくみが解消。
3. 浮力作用
お湯の中では浮力により体重が10分の1程度に。重力から解放されて関節や筋肉の緊張が緩み、リラックス。
4. 清浄作用
皮膚表面を洗い流し、有害物質や微生物、不要な皮脂などを除去。毛穴が開き、汚れや皮脂を流出させる作用も。
5. 蒸気・香り作用
お湯の蒸気で鼻や喉が潤い、感染予防につながります。好きな香りの入浴剤などを使えば自律神経の調整にも。
6. 抵抗性作用
水中で体を動かすと陸上の約3〜4倍の負荷がかかり、ゆっくりとした運動でも筋肉が効果的に刺激されます。
7. 解放・密室作用
浴室は衣服を身につけず一人で裸になる非日常的な空間。心と体が解放される究極のリラックス効果が得られます。
取材・原文/和田美穂