持っていますか? 体組成計。古いものを使っている人、気になっているけれど何を選んでいいのかわからない人。体組成計も進化して、驚きの機能を備えた機種も登場しています。内臓脂肪を減らしたいなら、今こそ買い時かもしれません!
お話を伺ったのは
西澤美幸さん
Miyuki Nishizawa
1968年生まれ。タニタ開発部主席研究員。学生時代からタニタの体脂肪計プロジェクトに参加。入社してからは体脂肪計や体組成計、活動量計などの商品開発に携わり「体組成計の生みの親」とも称される存在
多機能化した体組成計と上手につき合うには?
コロナ禍で健康指向が高まり、各メーカーとも体組成計の販売台数が伸び、新製品も続々発売に。どう選んだらいいのでしょう?
「最低限、体脂肪率と筋肉量が測定できるといいですね。筋質点数、基礎代謝量もわかるとなおいいです。40代以降の女性は筋肉量がなかなか増えないのですが、筋肉の質は繊細に変化するので励みになります。また、基礎代謝量も頑張った効果が見えやすく、モチベーションアップにつながると思います」
と教えてくれたのはタニタ開発部の西澤美幸さん。スマホと同じで、多機能化したハイスペックな機種は使いこなせない、という声も聞こえてきます。
「高額な上位モデルは、BluetoothやWi-Fiなどの通信機能を持ち、スマホと連携できるのも便利です。でも、簡便性やシンプルさ、続けやすさを重視するのであれば、安価なものでも精度は十分! 環境や目的に合わせて選んでみてください」
体重計と体組成計の違い
「体組成」という言葉自体まだ認知度が低く、体組成計と聞くと「体重計に何か追加されたもの」と思う人も少なくありません。
でも、体組成計の前身は体重計ではなく体脂肪計です。日本では1990年代にタニタやオムロンから体脂肪計が発売され、徐々に計測技術が発達。2000年代には、体脂肪だけでなく、体の組織を脂肪・骨・筋肉などに分けて計測できるようになり、体組成計が誕生しました。
体組成計のパイオニアといわれるタニタの家庭用上位モデルでは、現在、医療や研究機関で使用される生体データを基準に数値を算出し、より精度の高い測定値が出せるようになっています。
乗るだけで体組成が測れる仕組み
一般的な体組成計は、人の体に微弱な電流を流してその抵抗値を計測し、体組成を推定しています。筋肉は電気が通りやすく、脂肪は通りにくいという特性を利用しているのです。
この数値に加え、身長・体重・性別・年齢などの情報を各社独自のアルゴリズム(体組成を推定する計算式)で瞬時に解析、数値化しています。
体組成計を使うメリット
筋肉や脂肪、骨など体を構成する組織「体組成」を推定して表示するのが体組成計です。体重計ではわからなかった体脂肪や筋肉量、基礎代謝量の増減などに気づくことができます。
また、体脂肪率の内容(皮下脂肪か内臓脂肪か)などをチェックし、正しいダイエットや健康管理、生活習慣病の予防などに役立てることができます。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子 取材協力/タニタ オムロン ヘルスケア