前回に引き続き「あれ?」っと思った体組成計の素朴な疑問に、タニタ開発部主席研究員の西澤美幸さんがお答えする最終回となります。
Q. 体脂肪率は一日で何%くらいまで減るもの?
体脂肪自体があまり変わらなくても、分母の体重が水分の変動だけで「±2㎏/日」程度の重量変化があるため、通常でも一日の体脂肪率は1~3%ほど変化します。
厳しいダイエットでは一日に4%ほど変化する場合も。
Q. 風邪などで体調が悪いときは、測定値が変わるような気が?
これも体温や、体内の水分量が変動するためです。発熱時などは当然ながら、下痢や二日酔いなどで脱水症状にあるときなども正しく計測することができません。
また、ホルモンの変動によっても測定値がバラつくことがあります。
●体水分が変動するとき
- ・二日酔いのとき
- ・過度に飲食したとき
- ・多量発汗など極度の脱水症状のとき
- ・発熱や下痢など体調が悪いとき
Q. ジムなどにある業務用で測定するほうが正確なの?
業務用の機種のほうが、計測結果が安定していますが、それは同じメーカーの業務用と家庭用で同じ時間、同じ条件で計測した場合のこと。
メーカーが異なる機種同士では計測結果に差が出ることが多いようです。
Q. 高額な機種と安価な機種の一番の違いは?
安価なものでも精度は十分ですが、計測機能の数や、測定安定性や精度は高額なもののほうが優れている傾向にあります。
また、高額上位モデルは、BluetoothやWi-Fiなどの通信機能がついていて、計測データの管理に役立つものもあります。
Q. 海外メーカーと日本メーカー、製品の違いは?
各メーカーによりアルゴリズム(体組成を推定する計算式)が異なり、その国の違いや体質・特徴に合った判定になるといわれています。
答えていただいたのは
西澤美幸さん
Miyuki Nishizawa
1968年生まれ。タニタ開発部主席研究員。学生時代からタニタの体脂肪計プロジェクトに参加。入社してからは体脂肪計や体組成計、活動量計などの商品開発に携わり「体組成計の生みの親」とも称される存在
構成・原文/蓮見則子 取材協力/タニタ オムロン ヘルスケア