今回は眼科医の窪田美幸先生の快眠対策をご紹介。眠れないときの割り切り方、サプリや寝間着などの活用した対処法など、参考になる話がいっぱいです。
眠れないときは焦らず、
その時間を楽しむことにしています
窪田美幸さん Miyuki Kubota
三軒茶屋眼科 眼科 62歳
更年期に睡眠障害を発症。
さまざまな対策を
「平均的な睡眠時間は4時間ですね」という窪田美幸先生。自身が理想とする睡眠時間は6時間だそうですが、残念ながら2時間不足しています。具体的に、今どのような症状を抱えているのか伺いました。
「日頃から寝つきが悪く、寝つけなくなると一睡もできないこともあります。すんなり寝ても、2時間に1回は必ず目が覚めてしまう。なのでここ20年間、目覚まし時計をかけたことがありません。この状態になったのは15年ほど前から。ちょうど更年期症状が始まった頃ですね。それ以外の症状はまったくなかったのですが、睡眠障害だけは今も続いています」
対処法として、舌下に垂らすタイプのサプリをとったことがあるものの、効果は気休め程度だったとか。
「眠剤も試しました。ハルシオンは、たまに続けて4~5時間眠れることがありますが、まったく眠れないときもあって。マイスリーは効果としてはハルシオンとあまり変わらず、寝起きにふらつきが出ることがあります。この2剤に比べると、レンドルミンは多少寝つきがよくなるかも。ロゼレム(メラトニン受容体作動薬。体内時計のリズムを整えるホルモン、メラトニンに働きかけることで睡眠を促す)は睡眠のリズムを整えると言われて飲みはじめましたが、効果を実感する前に挫折しました」
睡眠負債は昼間に解消しているそうで、「どこでも10分程度の仮眠がとれる」と窪田先生は言います。
「現在、フランスベッドの電動ベッドフレームにテンピュールのマットレスを敷いています。その上にトゥルースリーパー プレミアムを敷いていますが、マットレスがへたってきたせいか、寝心地はいまひとつ。ウェスティンホテルで使用しているヘブンリーベッドに買い替えようかと検討中です」
枕はホテル仕様の大きな羽根枕。寝苦しいときは抱き枕としても使えるそう。また、寝室のほこりが気になるため、掃除もしっかりとしています。
「"雲の上の寝心地" というキャッチコピーでおなじみの、ウエスティンホテルが開発したヘブンリーベッドに買い替えようかと考えています」
写真協力/フランスベッド
寝間着にこだわり、心地よく
休めるものを選んでいます
「寝具もですが寝間着も大事。いいといわれるものをいろいろ試し、冬用のジェラートピケ、夏用のThiaという現在のウエアにいきつきました。特に後者は、シンプルな形ですが、暑い時期にはとても具合がいいんです」
また病気で寝込むようなときは、京都・俵屋のものがベターだとか。
「以前、インフルエンザで40℃近い熱が出たとき、ほかの寝間着は汗でベタベタになったのに、俵屋さんのものはダブルガーゼのため汗をしっかり吸い取ってサラッとしていました」
眠れないときはあまり焦らず、読書をしてその時間を楽しんでいるという窪田先生。長引く不眠には、そういう割り切りも必要なのかもしれません。
「途中で目が覚めた場合は一度起きて、リビングのソファで雑誌を読んだりしています。そのうちに眠くなるので、朝まで眠っても大丈夫なようにソファ周辺を整えています」
「寝間着は、冬はジェラートピケの長め丈のネグリジェ。夏はフランス・Thia社のコットン製ネグリジェを着ています。白いペラペラした生地で、外国製のランジェリーを扱っている店などで購入できます」
「朝起きたらダイソンのクリーナーをかけ、床にはウエットタイプのクイックルワイパーを。寝る前には枕にラベンダーのスプレーをかけます」
次回は内科医、抗加齢医、婦人会医が語る「不眠治療」の現在をご紹介します。
撮影/森山竜夫 ヘア&メイク/田代ゆかり イラスト/ミック・イタヤ 取材・原文/上田恵子