マスクなし解禁の今こそ、まずは「マスクこり」をほぐす顔トレを!
約3年にわたって続いたマスク生活ですが、この春から少しずつ外す機会が増えそうですね。
とはいえ、マスクに隠されていた下顔面に自信が持てない…。顔の筋肉が凝り固まって口もとが上手く動かせない…。
マスク外したいけど、外せないという人も多いようです。
2月21日のNHK「あさイチ」でも特集された「マスクこり」。石井さとこ先生がその番組でも紹介した顔トレを、3月3日に開催されたOurAgeのインスタライブでは、さらに深掘りし、お悩みに合わせて教えていただきました。
マスクを外した時に慌てない、キラキラした笑顔を作るためのコツもピックアップして、お届けします!!
「マスクこり」の原因は運動不足。意識して動かすこと!
――3月13日(月)から、マスクの着用が個人の判断に委ねられました。長い間つけっぱなしの生活が当たり前だったためか、表情がうまく作れない、大きい声がでない…などに悩む人が急増中。いわゆる顔が固まってしまう「マスクこり」の原因と対策は?
石井さとこ(以下:石井)顔の「こり」の原因は運動不足です。マスクをつけていた3年間、私たちは表情筋を動かす機会が激減しました。大きな笑顔を作る場面も少なくなったし、買い物をする際も、レジのところで「りょーしゅーしょ(領収書)……お願いします……」と、口先だけでもごもご言って、語尾の発音も曖昧に。運動をしているようでしていなかったようなものです。
マスクの息苦しさもあって、口呼吸をする人も増えました。
さらにスマホやタブレットを使うなど、うつむきがちで黙って視線を落とす姿勢が長いことも、表情筋を衰えさせる原因のひとつに。表情筋が衰えると、顔全体が血行不良になり、どんどん無表情になっていきます。
「マスクこり」、「マスク老け」対策は、自分で意識して表情筋を動かすことにつきます。
――顔を動かす時に、最初に気をつけることは?
石井 「運動している」という意識を持つこと。これはとても大事ですよ!
「動かすぞ」と思いながら、筋肉を縦横に大きく動かし、伸ばすことで血流がUP。血行が良くなるとメリットがいっぱい。新陳代謝が良くなりますし、ホルモンの分泌も増えて、肌の色つやが良くなります。ほわっと赤く、色っぽく魅力的に見えるのは、私たちにとって大きなメリット。みなさん、ぜひ積極的に運動していきましょう。
――ではウオーミングアップから教えて下さい。
「モダイオラスほぐし」から始めましょう。
左右の口角の内側の少し上あたりにある、小さなふくらみ。これを〈モダイオラス〉と言い、顔の筋肉が集る場所です。
口の中からモダイオラスに舌先を当て、下から上へゆっくりと動かしましょう。左右各10回ずつです。
口の中からモダイオラスに舌先を当て、下から上へゆっくりと動かしましょう。左右各10回ずつです。
表情筋をほぐし、マスクこりを和らげる効果が。同時に、舌の筋肉・舌筋(ぜつきん)のトレーニングにもなる顔トレです。
舌の筋肉はステーキ一枚分ぐらいの重さがあり、喉の奥までつながっています。大きくて重い、パワフルな筋肉なんです。これまでは会話をすることで、ある程度の舌筋は鍛えられていたのですが、マスク生活でその機会も激減しました。
舌筋を使わずに甘やかしていると、舌がどんどん重たく感じられて、口呼吸の原因に。顔こり、マスク老けにつながります。
舌筋を使い、内側からモダイオラスがほぐれてきたら、唾液が出てきます。これも非常に大事なポイント。
唾液は人のものは感染症の原因になると言われていますが、自分の唾液は、口の中を守る「神液」なんです。
免疫力アップ、虫歯・口臭の予防といいことづくめ! みなさん、マスク生活で口の中の水分量が減り、口臭のお悩みも増えていますが、表情筋をほぐし、舌筋を動かしながら、しっかりと唾液を出して下さいね。
――では、いよいよ「マスクこり」解消の顔トレを教えてください。
石井 まずは側頭筋(そくとうきん)を鍛えましょう。側頭筋は耳の上のあたりにある筋肉ですが、ここもマスク生活で動かす機会が減り、こりの原因に。
「耳ひっぱり」&「耳ぎょうざ」をしていきます!
まずは「耳ひっぱり」のエクササイズからスタート。
耳の上部をつかみ、10秒ぐらい上に引っ張ります。うさぎの耳をイメージして、上へ、上へと引き上げるのがポイント。
次は「耳ぎょうざ」です。これは、耳の上と耳たぶをつけるように、縦につぶして餃子のような形を作る! 横じゃなくて、縦ですよ。
「耳ひっぱり」、「耳ぎょうざ」は側頭筋周りの筋肉ほぐしだけではなく、外耳などの耳の神経が集まる部分にもいい刺激が。
首を支える筋肉の一つ、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)にも働きかけます。
「耳ぎょうざ」は、筋膜が凝り固まっている人ほど少し痛いと感じられるかもしれません。やっていくうちに硬さが取れていくと思いますので、コツコツと続けてくださいね。
何となく耳から顔周りがぽかぽかしたと感じられたら、こりがほぐれ、血流が良くなっている証拠。美肌作りもできていますよ!
「はにふえろ」の発声で表情筋も、気持ちもやわらかに!
――そして、NHKの「あさイチ」でも盛り上がっていた顔全体をほぐす顔トレを教えて下さい!
石井 「はにふえろ」ですね。これは私が歯科医なので「歯にいいことがありますように♥」という願いも込めて考えたトレーニングなんです(笑)。
ひと言ずつ、やっていきましょうね。コツは、声を出しながら行うこと。自分の声を聞きながら顔を動かしていくと、気分もリラックスしてきます。
「は~」は、最初は小さくてもいいですが、最後は指が3本分ぐらい入るぐらい、大きく縦に口を開けていく。
これだけでも顔中の表情筋をかなり使っています。
「に~」は、声を出しながら、口角を上げて。
大頬骨筋という、ほっぺたを支える筋肉を引き上げます。
「ふ~」は、唇を少しすぼめて息を吐き出します。
こうすることで口輪筋という、口の周りをぐるっと囲んでいる筋肉を強化。
口輪筋は老いも若きも鍛えないとたるみやすい筋肉なので、しっかりやって下さいね。
「え~」、これは喉の奥から声を出す。
笑筋(しょうきん)という筋肉のエクササイズです。
森進一さんの名曲「襟裳岬」の発声を思い出して(笑)。
最後の「ろ」は、ペロッと舌を動かすように。LとRの間のような「ろっ」と、巻き舌気味に発音して下さい。
日本語では使うことが少ない動きですが、この最後の「ろ」が大事。舌筋のいいトレーニングになります。
「は~、に~、ふ~、え~、ろっ」。鏡を見ながら笑顔で行って下さいね。気づけば表情がキラキラと輝いていると思います。
――確かに笑顔でやることで、気持ちもアップしてきますね! さらに今回、OurAge読者のために、「あさイチ」では伝えきれなかった体操も伝授して下さるとか。
石井 「エモ筋トレ」でキラキラ笑顔に磨きをかけましょう。
エモい=感情的な表情を作り、さらにいつもなかなか使わない筋肉まで動かしていきます。
最初は「えっ?!」と嬉しいサプライズがあった時の表情を。目も口も大きく開けて、顔全体でびっくりして。
そのまま3~5秒キープ!普段は使わない筋が強化され、目力もアップ。
次は口の中から口角に空気を入れて。「ぷんぷん!」と怒っている表情に。5秒ほどキープ。
エモ筋トレは顔の縦、横の筋肉を動かすエクササイズです。
また「ぷんぷん」の時の動きは、口の中の粘膜を刺激するので唾液がいっぱい出てきます。美肌ホルモンは唾液の中にも含まれており、動かしている時ほど、分泌量が増えるので、このまま、口をゆすぐように「エアぶくぶく」をしてもいいですね。唾液の力で口臭・虫歯対策も一緒にできます。
――表情がぱっと明るくなると共に、肌や口腔内のトラブル予防効果もあるとはすごいです!
次の記事では、さらにマスク生活での悩みにフィットした顔トレを紹介します。
★3月3日OurAgeインスタライブのアーカイブ配信はコチラ!!
さとこ先生と一緒にLet’s顔トレ!!
文/石井絵里
『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』
TVでも話題!! マスク老け、マスクこり、たるみにも!!
石井さとこ先生の顔トレがこの一冊に!! 今こそ口もとを楽しく鍛えて、スッキリ!!
この本では、マスク下でできる舌や表情筋のエクササイズを公開。
すべてのメソッドは二次元コードから、やり方がわかる動画が見られます。また、歯科医師ならではのウイルスや菌に負けないための口もと習慣もご紹介。
毎日の顔トレと、新しい口もと習慣でご機嫌な口もとになりましょう!
石井さとこ先生プロフィール
石井さとこ(いしいさとこ)
歯科医師・口もと美容スペシャリスト。
歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。明るく、フレンドリーなキャラクターから「さとこ先生」と呼ばれ親しまれている。女性歯科医師ならではの、歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口元メイクについてのアドバイスに定評がある。
女優・モデル・タレント・アナウンサーなど、多数のビューティーセレブからの信頼も厚い。
最新刊は『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』(集英社)。テレビなどメディアで話題に。
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