「座りっぱなし」の影響で違和感や痛みを感じる前に対処しておきたい3つのポイントをご紹介します。まずは椅子や机の高さが重要な要因。早稲田大学スポーツ科学学術院教授の岡浩一朗先生に教えていただきました。
お話を伺ったのは
岡 浩一朗さん
Koichiro Oka
1970年生まれ。早稲田大学スポーツ科学学術院教授。子どもから高齢者までの生活習慣改善支援、特に運動の習慣化、および「座りすぎ対策」に関する研究に従事。ホームページはコチラ
座る時間を減らすこと、環境を見直すことが第一
すでにあちこちに違和感や痛みを感じている人は、軽症のうちになんらかの対処をする必要があります。
例えば、職場ならデスクや椅子などの作業環境を見直すこと。在宅ワークであれば、リビングやダイニングなどの、デスクワークに適さない家具で仕事をしていないか。
また、座り心地のよすぎる椅子だと立ち上がりたくなくなって、それが逆に長く座り続けてしまう原因になることもあるといいます。
「いずれにしても、長い時間座り続けることが一番の悪です」(岡浩一朗先生)
この言葉を肝に銘じましょう!
POINT 1
椅子と机は正しい高さに!
まずは椅子の高さ。座面に奥まで座って、足裏全体が床につくのが鉄則。机の高さは椅子に合わせて決めますが、座面から机までの高さである「差尺」を適切にとることがポイントです。椅子と机の最適な高さは下の計算で求めることができます。
最適な椅子と机の高さを求める計算式
座面の高さ=身長÷4
適切な差尺(座面から机まで)=身長÷6
机の高さ=座面の高さ+差尺
例えば… 身長158㎝なら
座面の高さ=39.5㎝、適切な差尺=26.3㎝、机の高さ=65.8㎝となります。想像しているよりもかなり低いはずなのでぜひ一度確認してみて。
POINT 2
30分に1回は立って動く
座りっぱなしを避けるには、意識して頻繁に立ち上がることが何より大事。できれば30分に1回、最低でも1時間に1回は立って3〜5分間動くこと。集中していると30分や1時間はすぐに過ぎてしまうものですが、タイマーをかけてでも立つ工夫を。
POINT 3
座るなら正しい姿勢で
正しい姿勢のイメージは、背もたれに背中をぴったりとつけて深く座り、上腕と前腕が90度、膝が90度、足裏全体が床についた状態。頭がわずかに前傾する程度の位置にPCディスプレイがあるのが理想です。あなたの姿勢ははたして…?
撮影/露木聡子 ヘア&メイク/小林 懸(glams) モデル/くらさわかずえ スタイリスト/日置 彩 イラスト/山崎真理子 構成・原文/蓮見則子
※この記事はMyAge2020年冬号に掲載されたものです。記事中の商品の価格は、税抜価格で表示されています。商品をお買い求めの際は消費税を含めた総額をご確認ください。