下腹だけ出ていたり、プヨプヨ段々になっていたり、全体的にふくらんでいたり…「ぽっこりお腹」もタイプはさまざま。自分のお腹の中に入っているのはいったい何? その正体を、まずは知っておきましょう。
お話を伺ったのは
栗原 毅さん
Takeshi Kurihara
1951年生まれ。栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士、日本肝臓学会専門医。治療だけでなく病気予防にも力を注ぎ、わかりやすい生活習慣指導に定評あり。肝臓専門医の視点を生かした消化器疾患、糖尿病、高脂血症、脂肪肝、内臓脂肪、肥満などに関する著書多数。クリニックは連日、健康を気遣う中高年で満員に。
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体脂肪の違いとたまる順番
血液中の「中性脂肪」が増えすぎると、本来たまってはいけない臓器に直接「異所性脂肪」がつきます。肝臓にたまる脂肪肝もこれです。そうなると、次につくのは内臓のまわりの「内臓脂肪」。「皮下脂肪」はさらにあとから、皮膚のすぐ下につきます。たまった脂肪が落ちる順番は、つきやすい順番と同じです。
中性脂肪
中性脂肪は血液中に存在する脂肪で、気をつければすぐに減らすことができます。
異所性脂肪・1
肝臓・心臓などの臓器に直接つく異所性脂肪は、脂肪肝などを引き起こす危険な脂肪となります。
異所性脂肪・2
筋肉の中にたまる異所性脂肪。肝臓などにつく「異所性脂肪・1」と違い、あまり知られていません。
内臓脂肪
腸間膜や内臓のまわりにつくのが内臓脂肪。つきやすいが落としやすい特徴があり、2カ月あれば減らすことも可能です。
皮下脂肪
皮下脂肪は皮膚のすぐ下にある皮下組織につき、指で直接つまめるので他の脂肪に比べてわかりやすく、いったん付いてしまうとなかなか減らしにくいため、3カ月を目安に減らしていきましょう。
OurAge世代に多いぽっこりシルエットの中身は「内臓脂肪」
皮下脂肪は皮膚のすぐ下(筋肉の外側)についているので、手でつまめるのが特徴。一方の内臓脂肪は、ずっと奥についているので手ではつまめず、MRIでも撮らなければ見えません。肥満ぎみでお腹が出ている人は、皮下脂肪・内臓脂肪、両方ついていることがほとんど!
若い頃のすんなりお腹
つまめるぽっこりお腹
皮下脂肪多い
内臓脂肪少ない
つまめないぽっこりお腹
皮下脂肪少ない
内臓脂肪多い
全体的なぽっこりお腹
皮下脂肪多い
内臓脂肪多い
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子