臀筋(でんきん)と呼ばれるお尻の筋肉が硬くなると、腰痛を引き起こしやすくなります。ボールを使ったセルフ筋膜リリースで、腰の痛みと決別しましょう!
セルフ筋膜ケアで効果が出やすいのが腰痛
椎間板ヘルニアなどの病名をつけられた人は別として、腰痛で多いのは表層の筋肉や筋膜に痛みのある「筋・筋膜性腰痛」。
また、骨盤の後ろ側を締める仙腸関節に由来した腰痛も少なくありません。これらは筋膜リリースで劇的に改善すること請け合い。
他の痛み同様、痛い場所だけにとらわれず、関連ポイントから攻めてみて。急性期でないことを条件にぜひ続けましょう。(トレーナー酒井大輔さん)
ボール1個で臀筋4カ所をほぐす
ボールに筋肉を当て続ける、じんわりリリース。腰痛のある人が硬くなりがちな臀筋や、太ももにつながる筋肉を緩めます。たったひとつのボールと侮るなかれ! 最初は痛くても、繰り返すうちに腰まわり全体が楽になります。
●ほぐしエリア
臀筋にはリリースポイントがたくさんありますが、ここでは特に腰痛に関連のある4カ所にしぼります。ピンポイントに見えても、まわりの筋肉まで広くほぐれているので心配無用
1. 梨状筋を左右各30秒キープ
お尻の最深部にあるのが梨状筋。坐骨の尖った骨の上あたりに体重がかかるよう、手でしっかり支えつつ膝を立てて座ります。ボール側に少し体を傾けて、1点にじわっと圧がかかるのを感じながら、左右各30秒キープ
2. 大臀筋の上部を左右各30秒キープ
腰にいちばん近いエリア。骨盤の上側の骨に乗り上げる位置にボールを当て、ボール側に体をやや傾けてくい込ませるように体重を乗せて、左右各30秒キープ
3. 大腿筋膜張筋を左右各30秒キープ
パンツの前ポケットに当たる位置。ボール側に体を傾け、あえてくい込ませるように体重をかけて、左右各30秒キープ。最初はかなり痛い人が多いはず
4. 中臀筋を左右各30秒キープ
中臀筋は、誰でも触れることができる腰骨のすぐ後ろ。大腿筋膜張筋の近くで、これもまた痛みを感じる人が多い場所ですが、リラックスしてじわっと左右各30秒キープ。
4カ所がほぐれると、お尻から腰まわりが驚くほど軽く楽になるので、まずは何日間か続けてみて
教えていただいたのは
酒井大輔さん
Daisuke Sakai
1974年生まれ。全米アスレティックトレーナー協会公認アスレティックトレーナー(NATA-ATC)。数々のスポーツチームのサポート、10年間の船橋整形外科病院勤務を経て、現在は地域密着型のコンディショニングスタジオ「船橋オルトベース」主宰。イオンスポーツクラブのスタッフ育成などにも従事。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/三浦真淑 モデル/SOGYON スタイリスト/鈴木由里香 監修/酒井大輔(船橋オルトベース) 構成・原文/蓮見則子