更年期にダイエットをして体脂肪を落としすぎるのはあまり良くないと聞きます。その理由をスポーツドクターの中村格子先生と高尾美穂先生に聞きました。
Q 更年期には体脂肪をあまり落とさないほうがいいといわれるけれど、どれくらいがいい?
A 体脂肪率20~25%を目標にする
「更年期にダイエットをして体脂肪を落としすぎると、やつれて老けた印象になってしまいます。
また、骨代謝を制御するレプチンというホルモンは脂肪細胞から分泌されるので、骨のためにも体脂肪を落としすぎないことは大切。20〜25%くらいの体脂肪率をキープするようにしましょう」(中村格子先生)
Q ジムなどに通って運動をするときの注意点とは?
A インストラクターを慎重に選ぶこと
「ジムに通って逆に体を痛める人はたくさんいます。これを避けるために気をつけたいのは、まずグループレッスンではなく個人レッスンを選ぶことです。グループレッスンだとつい無理をしてしまい、体を痛めやすいからです。
また、体の痛みの経験がないような若手のインストラクターだと、痛みがある場合の禁忌の動きなどへの認識が浅い場合があるので、経験豊富なベテランの人を選ぶのがおすすめ」(中村格子先生)
Q 日常生活の中に運動を取り入れるには?
A おへそを背骨に近づけるなど、手軽な運動をちょこちょこ行って
「いちばん簡単なのは、よい姿勢を保つ意識をすること。それだけで姿勢を支える筋肉が鍛えられます。さらに、おへそを背骨のほうに押し込むようにするとお腹の引き締めに効果的。
また、エレベーターでの上り下りのとき、誰もいなかったらスクワットをするのもよい方法」(高尾美穂先生)
真っすぐに立ち、鼻から息を吸って、お腹を大きくふくらませます
次に、息を吐きながらおへそを背骨のほうに向かってギュッと押し込むようにします。1、2を5分ほど続けます
答えてくれたのは
整形外科医
中村格子さん
Kakuko Nakamura
Dr.KAKUKOスポーツクリニック理事長。医学博士。スポーツドクター。日本オリンピック委員会(JOC)医学サポートスタッフ。日本体操協会専任メディカルスタッフ(新体操)。近著(共著)に『整形外科医がすすめる一生スタスタ歩けるフリフリ体操』(学研プラス)
産婦人科医
高尾美穂さん
Miho Takao
イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガ指導者。診療の傍ら、アプリstand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」でリスナーの多様な悩みに回答し、510万再生を超える人気に。著書に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)など
撮影/藤澤由加 イラスト/いいあい 取材・原文/和田美穂