安全に痛みを軽減するための筋膜リリース方法を、トレーナーの酒井大輔さんが伝授。
フォームローラー基本動作を動画でチェック!
まず、何を置いても覚えたいのがフォームローラーの使い方。
痛みを取る目的なら、この基本動作を守ってください! コツをつかめば応用は自由自在です。
体重をかけて転がす「ローリング」
ローラーに当てた場所へ体重をかけ、その圧点をゆっくり移動させていくローリング。
やみくもにコロコロ転がすのは打撲の原因になるので、基本は筋肉の線維に沿ってゆっくりと。2秒で5cm、4往復が目安です。やりすぎには注意。
ローリングのポイント
- ●ゆっくり転がす(2秒で5cmが目安)
- ●ひとつのエリアで4往復
- ●呼吸を止めないこと
- ●痛い場所ほど息を吐いてリラックス
- ●ローラーは筋肉線維と平行に動かす
- ●筋肉が長い場所は半分ずつ
- ●回数が多すぎ、力の入れすぎは禁物
ローラーを当てる角度に要注意!
ローラーが筋肉と平行に転がらないのはNG。ともすれば逆効果に
痛いところは体重を乗せて「キープ」
ローリングで特に痛みを感じた場所は、改めてローラーに乗せてリラックス。じわっと圧をかけ、1カ所につき30秒キープします。これで緊張がほぐれ、血行も促進。圧をかける方向を工夫してみましょう。
ふくらはぎが痛い場合の姿勢です。リリースする部分をローラーに乗せ、反対の脚で圧をプラスします
ずらしたり揺らしたり「当てたまま動かす」
ローリングやキープに加え、ほぐし効果をより得られる方法も覚えておきましょう。ローリングで特に痛みを感じたエリアにじわっと圧をかけたまま、なんらかの動きをプラスするテクニック。痛い場所や痛みの程度に合わせて使い分けたり、組み合わせたりできるようになると、さらに効き目UP!
当てたまま「関節を動かす」
1カ所に圧をかけている間に近くの関節を動かして、より深くほぐす方法。ローラーに太ももを当てながら膝関節を動かす、脇の下を当てながら肩関節を動かす、などが代表的。
当てたまま「横に揺らす」
圧をかけたまま、ローラーの面に沿ってゆっくり体を揺らす方法。背中や脚など広い面積に、多方向からじんわり圧をかけられるのがメリット
当てたまま「ズリ圧をかける」
なかなかほぐれない場所には、圧をかけたままこすってずらす動き「ズリ圧」をプラス。ここでは臀部ですが、どんな場所にも応用可能です。
教えていただいたのは
1974年生まれ。全米アスレティックトレーナー協会公認アスレティックトレーナー(NATA-ATC)。数々のスポーツチームのサポート、10年間の船橋整形外科病院勤務を経て、現在は地域密着型のコンディショニングスタジオ「船橋オルトベース」主宰。イオンスポーツクラブのスタッフ育成などにも従事。
MyAge2021年秋冬号「40代からの筋膜リリース」より
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/三浦真淑 モデル/SOGYON スタイリスト/鈴木由里香 監修/酒井大輔(船橋オルトベース) 構成・原文/蓮見則子