前に入った股関節を正しい状態に戻すことが、太ももを引き締めるカギ
前回の第3回は、太ももの引き締めでも、前ももの「りきみ筋」をほぐして伸ばし、外ももの「さぼり筋」を鍛えるという方法でした。今回は、股関節にアプローチして太ももをさらに引き締めていきます。
使いすぎている「りきみ筋」と、使われず衰えている「さぼり筋」について、詳しくはこの連載の第1回でチェック!
「太ももに大きな影響を与えるのが股関節です。普段の生活では、股関節を前に動かす動作のほうが多いので、ほとんどの人は股関節が外側に回らないため、内ももの内転筋が縮んで硬くなっています。ですから内転筋は『さぼり筋』です。
この状態だと内転筋が使われにくいので、太ももが太くなる原因になります。ですから、まずは内転筋をほぐして伸ばすことがポイント。
また、股関節を外に開くときに使われる股関節外旋筋や股関節外転筋も使われにくくなっている『さぼり筋』なので、これらを鍛えるエクササイズをします。
これにより股関節が外に開きやすくなって、内転筋が使われやすくなり、太ももが引き締まるのです。つまり今回は、内ももと股関節の『さぼり筋』にアプローチしていきます。前回ご紹介したエクササイズと組み合わせれば、さらにすっきりとキレイなラインの太ももになります」(KAORUさん)
以下が、おすすめ「ゆる筋トレ」の3STEP。さっそく試してみて。
STEP1 「ほぐす」
内ももほぐし
① 内ももでフォームローラーを挟んで真っすぐに立ちます。両手は腰に当てましょう。
※フォームローラーは、筋膜リリース用のローラーならなんでもOK。ない場合は、細長いステンレスボトルなどにバスタオルを巻いて円柱状にして使ってもOK。
② お尻を締めて、右の股関節から膝までの力を抜いて緩めます。このとき、膝が軽く曲がりますが、膝を曲げるのを意識するのではなく、股関節を緩めることで膝が軽く曲がるイメージです。
③ 次に、左の股関節から膝までの力を抜いて緩めます。②③を3往復。フォームローラーが左右に動くので、内ももが刺激されてほぐれます。フォームローラーの位置を股間から膝まで少しずつ下げていき、内もも全体を同様に刺激しましょう。
STEP2 「伸ばす」
内もものストレッチ
① 足先は外に向け、脚を左右に大きく開いて両膝を曲げます。左右の手を膝の上に置き、腹筋を意識して、上体が前に倒れないようにします。
② 右肩を内側にグッと入れ、同時に右手で右膝を外に押し、内側に倒れないようにして3秒キープ。このとき、右の内ももが伸びるのを意識。次に、①の状態に戻り、今度は左側も同様に。左右各3回。
STEP3 「強化する」
股関節を開く筋肉を鍛える
うつ伏せになり、股関節を開いて両膝を曲げ、恥骨を床に押しつけて、左右のかかとを合わせます。息を吐きながらお尻に力を入れて、左右のかかとを押し合います。息をゆっくり吐きながら、押して、押して、押してと3回に分けて強く押しましょう。これを10回。上半身を上げると腰を痛めるので、上げずに行いましょう。肋骨を閉じることで腰の負担は軽減します。
この3STEPを取り入れて、引き締まった美脚を目指してくださいね。
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) 取材・文/和田美穂