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腕を上下・前後に振るだけで肩や腰の力みが取れる!

現代の生活では常に心身が緊張した状態になりがちです。するとやがて首や肩のこりだけでなく自律神経が乱れて、さまざまな不調が現れることも。そうならないためには心身を脱力することが必要です。その有効な方法を、「頑張らない筋トレ『体芯力®』」パーソナルトレーナーの鈴木亮司さんに伺いました。

1日1回は心身を脱力させよう!

仕事や家事に追われる日々と人間関係、加えてスマホやパソコン画面を凝視する時間が長いことで、私たちの心身は常に緊張しています。

 

「力みは筋肉の緊張からの首や肩のこりだけでなく、自律神経が乱れることで不眠や慢性疲労、うつ症状など、心身の不調の大きな原因になります。私たちの生活には、意識的に脱力することが必要です」(鈴木亮司さん)

※詳しくは第1回参照。

 

「そこで私がおすすめしているのが、心身を効果的に脱力させることができる『脱力スワイショウ体操』です。

 

スワイショウとは中国語で『腕を放り出す』という意味で、太極拳や気功で行われる準備体操のようなものです。『脱力スワイショウ体操』はこのスワイショウをヒントに、脱力することにフォーカスして、私が考案したメソッドです。

 

普通のスワイショウと違うポイントは、自然の揺らぎを大切にして、腕や手、脚を動かしたときに、流れに任せて体も揺らしていくところです。これにより、緊張した筋肉や関節が緩み、深い呼吸ができるようになります。

腕を振ると頭も同時に揺れるため、三半規管が鍛えられ、バランス感覚がよくなり姿勢の改善が期待できます。眼球が上下左右に動くので、視覚が活性化されます。

 

一定のリズムで同じ動きを繰り返すことで、瞑想状態になり脳の前頭前野の休息に。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促され、リラックス状態を示すα波が出ます。そのため『動く瞑想』とも呼ばれています。しかも簡単なので、誰でも気軽にできることが大きなメリットです」

 

【脱力スワイショウ体操】の効果

・筋肉と関節が緩む(首・肩・腰のこり、痛みの解消)

・呼吸が深くなる(疲労回復)

・インナーマッスルが整う(姿勢の改善、足腰の強化、運動能力の向上)

・自律神経が整う(不眠の解消、血圧の安定)

・三半規管が鍛えられる(眼精疲労の解消、姿勢の改善)

・精神の安定(うつ症状の改善、やる気が出る)

 

腕を上下・前後に振って体を脱力!

「特別に用意するものはありません。動きやすいラクな服装で、裸足※1自然な呼吸をしながら行います。頭は自然の揺れに任せて、視線はできるだけ固定※2 します。ひとつの動きを1分を目安に、できれば毎日行いましょう」

 

※1:普段あまり使わない部位はボディマップ(身体地図)が弱くなっています。特に靴下や靴を履いていることが多い人は、足裏のボディマップが弱い傾向です。脱力スワイショウ体操を行うときは裸足で行うとより効果的です。ボディマップに関しては第1回参照。

※2:体と一緒に頭まで激しく動かすと目が回ってしまうことがあります。

 

上下の脱力スワイショウ体操

両手を同時に振り下げて上げる体操です。

【1】

脱力 4回 脱力スワイショウ 上下 足つき 03

腰幅ほどに両足を開いて立ち、両腕を肩の高さに上げます。膝には力を入れず軽く曲げ、体の力を抜きます。腕の重みを感じるくらい、完全に力を抜いて両腕を振り下ろします。ひじを柔軟にして、ひじから先が抜け落ちるような感覚です。後ろ側には自然に行くところまででOKです。

 

 

【2】

脱力 4回 脱力スワイショウ 上下 足つき05

振り下ろした腕の反動を利用して、両腕を肩の高さまで振り上げます。1~2の動作を繰り返します。両腕を上に放り出すようなイメージで、気持ちよく腕が動く範囲で行います。肩甲骨も動いていることを意識するとより効果的です。

 

 

前後の脱力スワイショウ体操

今度は左右の腕を前後に交互に振る体操です。肋骨まわりの力みが取れ、深い呼吸ができるようになり、肩こり解消効果もアップ!

 

【1】

脱力 5回 脱力スワイショウ 前後 01

腰幅ほどに両足を開いて立ち、右腕を前に出し、左腕を後ろに引きます。

 

 

【2】

脱力 5回 脱力スワイショウ 前後 02

続いて左の腕を前に、右腕を後ろに振ります。こうして左右の腕を交互に前後に振ります。前に伸ばした腕を脱力させてその反動で後ろに振るイメージです。

 

しばらく続けていると、自然と体にねじれが入ってきます。これにより自然に肋骨まわりが緩んで深い呼吸がしやすくなります。また、膝がリズムにのって上下するかもしれませんがそれでOK。無理にねじろうとしたり、膝を意識する必要はありません。リズミカルに1分ほど続けます。

 

疲れたと思ったときほど、気持ちよくリズミカルに行うことで、幸せホルモンといわれるセロトニンが出てきて、ストレス解消&前向きな気持ちが戻ってきます。

 

 

【教えていただいた方】

鈴木亮司
鈴木亮司さん
パーソナルトレーナー
公式サイトを見る
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「頑張らない筋トレ『体芯力®』」パーソナルトレーナー、日本体芯力協会会長、認知動作型トレーニング指揮者、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定トレーナー。高校卒業後、トレーナーの専門学校入学とともに格闘技を始め、総合格闘技やK-1などで活躍。選手引退後の2010年、トレーナー活動に専念。東洋医学や武術を研究し、体育学の権威である東大名誉教授・小林寛道氏による理論の裏付けを得て、独自の「体芯力」を考案。プロのアスリートから90歳以上の高齢者まで数多くのパーソナルトレーナーを務める。著書に『「脱力」はなぜ体にいいのか』(青春出版社)など多数。

 

撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子

 

 

★鈴木さんのメソッドをもっと詳しく知りたい人は・・

『「脱力」はなぜ体にいいのか』

鈴木亮司著 「脱力」はなぜ体にいいのか

鈴木亮司 著/青春出版社 1,254円

 

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