最初にやることは、リリースだけ。あえて筋トレはしないで!
パーソナルトレーナーで、姿勢アナリストのKAORUさん&管理栄養士の麻生れいみさんによる体改造プロジェクト。
「筋肉をつけて変わりたい!」と名乗りを上げたのは、この方です。
小川正美さん(1972年生まれ・弁護士)
身長159cm/体重61.25kg
「20代からじわじわ太りはじめ、40代には洋服のサイズがトップス13号、ボトム11号に。仕事のストレスで歯の食いしばりなどがあったせいか、顔・首・肩にかけて特に変な肉のつき方をしていると思います。
セルフケアを始めたこととストレスが落ち着いてきたせいか、これでもようやく首まわりが痩せはじめたところ。これから、無駄な脂肪は落として筋肉をつけていきたいと思っていました。
仕事柄会食も多く、お酒も大好きなので、その生活スタイルに合わせて食事も改善しなくてはと思っています。運動するのは嫌いではないので、ここで正しい運動習慣も身につけられたらいいなと思います」(小川正美さん)
そんなふうに自己紹介をする小川さんが最初に向かったのは、KAORUさんのスタジオです。まずはKAORUさんによる姿勢チェックが始まります。
パーソナルトレーナーKAORUさんによる姿勢チェック
まずはKAORUさんによる姿勢チェックが始まります。
「立ち姿を見ただけで、ちょっとつらそうだと感じます。これでは首も肩も痛いでしょう。全身がカチコチに硬いです。特に左の肩が引っ張られて、下がってしまっていますよね。そして足のアーチが落ちて土踏まずがなくなっているのも気になるところ。
このままいわゆる筋トレをしても、使えるしなやかな筋肉はついていかないんです。まずは最初の1、2週間は、こりを解消するようにほぐして緩め、動きやすい筋肉に戻すこと。ほかは何もやらなくていいです。
テニスボールやフォームローラーを使ってのリリースから始め、筋肉がほぐれてきたところで、徐々に正しく筋肉をつけるようなエクササイズを増やしていきます。
ただ、この年代の女性が筋肉をつけて体を変えていくためには、運動が3割、食事が7割だと思っています。食生活も改善していきましょうね」(KAORUさん)
アーチが崩れ、土踏まずがなくなっていることを、KAORUさんは見逃しませんでした。
こうして、3カ月の筋活プランがだいたい決まりました。
KAORUさんのリリースレッスンスタート
テニスボールを使って、足裏のつま先からかかとまで念入りにコロコロ。KAORUさんのようにうまく転がらず、やや苦戦中。
フォームローラーでのリリースは初めての小川さん。太ももをローラーに乗せてスライドさせると、後ろも前も横も「きゃーっ」と声が出るほど痛かった!
内ももにローラーを挟むだけ。それだけで絶叫してしまった小川さんは、内ももが硬くなりすぎている証拠。涼しげなKAORUさんによれば「毎日やっていれば、すぐに痛くなくなるから絶対大丈夫!」とのことです。
はたして、どうなることでしょう? 楽しみになってきました。
管理栄養士、麻生れいみさんによる食生活の改善
次にメスを入れるべきは、小川さんの食生活です。こちらは管理栄養士の麻生れいみさんがチェックしてくれます。
小川さんの日常の食事を写真に撮って、数日間報告してもらいました。それがこちら。
基本的に朝食は食べません。
昼食:パスタ(ミニサラダ、パン、スープ付き)
間食:マドレーヌ、さらにカフェでコーヒーとバスクチーズケーキ
夕食:ハーブティーと餃子
こちらの日も、朝食なし。
昼食:コーヒー、前夜と同じく餃子
夕食:外食にてdragonハイボール(紹興酒ソーダ割り)とチゲ味噌ラーメン
朝:ハーブティーのみ
昼食:キッチンカーのエスニックランチ
間食:コーヒーと台湾カステラ
夕食:ソース焼きそば、いちご
夜に会食のある日は写真を撮るのが難しい様子です。お酒を飲みに行くと、もっとたくさん食べているとのこと。
とにかくタンパク質の量が少なすぎ! まずは「朝タンパク質」で増量
これらの報告を受けた麻生さん。40代からの「筋肉を増やす食べ方10カ条」を提示したばかりでしたが、タンパク質の量が少なすぎることを真っ先に指摘。
「筋肉の材料はタンパク質。写真からわかるのは、食べてほしい量の半分もとれていません。しかも、朝食を食べていないのが一番の問題。
これでもし昼食と夕食だけでタンパク質をはじめとする必要な栄養素をとろうとしたら、1回分の食事量がすごく増えてしまうことになります。
1回の食事で消化吸収できるタンパク質量には限界があるので、こまめに分けて食べないと筋肉増量にはつながらない。しかも、空腹からのドカ食いは血糖値スパイクの面からもおすすめできないんです。
お酒を飲んだり夜遅い食事では、朝食を食べるのは難しいかもしれません。朝の忙しい時間帯に食事を作るのも大変でしょう。それなら、ともかく朝にタンパク質を追加してみて。
固形物じゃなくてもいい。豆乳とかヨーグルトでもいいんです。そこから卵や納豆なども増やしていけるといいですね。
これからの人生を健康に生きていくには、50歳を過ぎた今、生活習慣を変えたらまだ間に合うと思うんです。3カ月間頑張って変えてみませんか?」(麻生れいみさん)
こんなふうに、二人の専門家の指導で小川さんの筋活プランが進んでいきました。
体のデータを残す!
毎日のエクササイズと食生活の改善。
その記録として毎朝、体のデータを測っていきます。記録を残すことは意識改革に直結。とても重要なことです。
投入されたのは、最新でスタイリッシュな体組成計でした。
体組成計 インナースキャンデュアル RD-930L(ホワイト)¥41,800(編集部調べ)/タニタ
Bluetooth®通信でスマートフォンアプリ「ヘルスプラネット」と連携。無線LANにも対応しているので、データはサーバーに自動転送されます。忙しい朝も素早く計測して、好きなタイミングで結果や変化の推移をチェック可能。
体重も筋肉量も50g単位で測れ、体脂肪率も0.1%単位で出ます。筋肉量など見たいデータをピックアップするとグラフで表示されたりも。変化を確認しながら効率的にトレーニングできます。
▼計測項目(11項目)
体重、体脂肪率、筋肉量、筋質点数、内臓脂肪レベル、推定骨量、基礎代謝量、体内年齢、体水分率、BMI、脈拍数
これから、1カ月ごとに何をやってどんな変化があったか、リポートしていきます!
3カ月後の小川さんの変身ぶりに乞うご期待!
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科医療栄養学領域修了。慶應義塾大学SFC研究所 食・フードサイエンス&テクノロジー共同研究機構メンバー。著書は『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『20kgやせた! 糖質オフ入門 最新版』(宝島社)などすでに28冊に及ぶ。ベストセラーも多数。
人物撮影/藤澤由加 取材・文/蓮見則子