首の「シワ・たるみ」は胸鎖乳突筋のこりが大きな原因!
首のシワが深くなり、最近たるみも気になる…。40歳を過ぎた頃から、衿ぐりの広い服を避けたり、スカーフやストールなどで隠すようになった人はいませんか?
「首のシワ・たるみの原因のひとつは姿勢の悪さです。猫背になると、そのバランスをとるために首が前に出てきます。こうした姿勢を長年続けていると、頚椎の間が縮んだり変形して、首が短くなります。首が短くなれば、その上を覆う皮膚がたるんでシワになりますね。さらに、そこに肥満傾向が重なると、首にも脂肪や肉がついて、シワの部分からたるんできます。
このように、首のシワやたるみの原因はひとつではなく、さまざまな原因が微妙にからみあって現れます。
悪い姿勢を続けていると、首の後ろ側や肩の筋肉に加え、首の横にある胸鎖乳突筋やそのまわりの筋肉もこり固まってきます。
胸鎖乳突筋は鎖骨の下から耳の後ろにかけて伸びる細長い筋肉です。
すっと伸びた首を右に回すと首の左側に、左に回すと右側に、美しい縦のラインが出ます。この胸鎖乳突筋のライン、若い頃はあった記憶があるけれど、年齢とともに首まわりの肉に埋没して、その存在がわからなくなっている…なんてことは少なくありません。
胸鎖乳突筋がこり固まると、首や肩のこりの原因になります。すると、首のリンパの流れが悪くなり、顔のむくみを引き起こしたり、首のシワやたるみの大きな原因になります」(木村友泉さん)
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胸鎖乳突筋とそれをサポートする筋肉を緩める!
まずはこの胸鎖乳突筋の存在を取り戻すことが大切です。それには日頃から首まわりの筋肉を緩めることから始めましょう。
ウォーミングアップ
首まわりの筋肉を揺すって緩めます。
両手のひらを首に当てて、首全体を覆います。この状態で両手を上下に小刻みに4~5秒揺らします。
胸鎖乳突筋をつまんでほぐす
【1】胸鎖乳突筋を片方ずつつまむ
頭を少し右に倒し、右側の胸鎖乳突筋の上部(耳の下あたり)を右手の指でつまみ、その下を左手でつまみます。
指を少しずつ上から下へと移動させて胸鎖乳突筋をまんべんなくもみほぐします。
次に頭を少し左に倒し、左側の胸鎖乳突筋の上部を左手の指で、その下を右手でつまみ、同様に行います。
これを左右10秒ずつ行います。
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【2】胸鎖乳突筋をつまんで上を見る
左右の胸鎖乳突筋の上部(耳の下あたり)を左右の手で同時につまんで、顔を少し右に傾けながら左上を見上げます。続いて、顔を少し左に傾けながら右上を見上げます。
これを左右交互にシーソーのように動かすのがポイント。これを3~5回繰り返します。
つまむ位置を少し下にずらして、同様に行い、胸鎖乳突筋をまんべんなく緩めます。慢性的な肩こりがある人はきっと痛気持ちいいはずです。
筋肉の緊張を緩めるとともに、顔を動かして筋肉と骨の連動を確認すると、右と左で動きやすさの違いを感じると思います。ケアの前後で首の可動域が広くなるなど、自分の体で変化を実感することが大切です。
【3】首を上から下にさする
右手のひらを首に当て、上から下に向けてさすります。続いて、左の手のひらを首に当て、右手を追いかけるように上から下へさすります。
これを交互に数回ゆっくり繰り返して、クールダウンとともにリンパを鎖骨下リンパ節に流します。
「首や肩がこったときに、首や肩を回したり、もんだりすると思います。そんなときは、首の横側の胸鎖乳突筋もこっているはず。セットでこの胸鎖乳突筋とそれをサポートするまわりの筋肉のこりをほぐす習慣をつけるといいと思います。リンパの流れがよくなり、首のシワ・たるみの改善に役立ちます」
【教えていただいた方】

LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。著書に『60歳からのリンパケア入門』(宝島社)、『1日10分でどんどん若返る! 一生使える若返りリンパケア』(三空出版)など多数。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子