運動の習慣がない人は、体幹の筋肉が眠ってしまっている状態!
前回ご紹介したように、「体幹」は、あらゆる日常動作にかかわる大事な部分です。
でも運動の習慣がないと、体幹の筋肉が衰えてしまっている可能性が…。
「体幹の筋肉が衰えると、疲れやすくなったり、姿勢が悪くなったり、太りやすくなったり、つまずきやすくなったり、歩くのが遅くなったり…さまざまな問題が起きます。
そのままの状態だと将来、歩行が困難になるリスクも高まってしまうから、今のうちから体幹を鍛えておきたいものです。
と言っても、きつい運動をする必要はありません。
運動習慣のない人が、いきなりきつい運動をすると体に負担をかけてしまったり、続けられなかったりします。無理なくできる体幹トレーニングで、眠っている体幹の筋肉を目覚めさせることから始めましょう。コツコツと続けるうちに体幹の筋肉が目覚めて、日常生活でも使われやすくなります」(澤木一貴さん)
まずは、自分の体幹力が衰えていないかどうか、チェックテストで確認してみて。
「体幹力」チェックリスト!
□猫背だ
□反り腰ぎみだ
□最近、つまずくことが多くなった
□日常生活で、座っている時間が長い
□片足立ちで30秒以上キープできない
□腰痛、あるいは肩こりがある
□スマホを見て、うつむいている時間が多い
□運動の習慣がない
□お腹がぽっこり出ている
□お尻が垂れぎみだ
□腕を上げにくい
□呼吸が浅いと感じる(呼吸が1分間に20回以上)
上記の項目に多く当てはまるほど、体幹力が弱っている可能性大。
以下の体幹の筋肉を目覚めさせる簡単トレーニングにトライしてみましょう。
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「まず、“手合わせ片足立ち”から始めて、慣れてきたら“デッドバグ”もプラスしてみましょう。簡単な動きなので、運動が苦手な人でも無理なくできます。
それぞれ、使っている筋肉を意識して行うのが、筋肉を目覚めさせるための第一歩です。毎日続けると体幹の筋肉がついてきて、体がしっかりと安定してくるはずです」
<手合わせ片足立ち>
呼吸を意識しながら片足立ちをするエクササイズ。
息を吐いたときにお腹がぺたんこになるのを意識することで、お腹の深部にある腹横筋が鍛えられます。また、片足を上げることで股関節の前側にある腸腰筋も鍛えられます。
① 足を軽く開いて真っすぐに立ち、胸の前で手のひらを合わせます。
② 3秒かけて鼻から息を吸いながら片足を上げ、3秒かけて口から息を吐きながら足を下ろします。
次に反対側の足も同様に。
左右交互に3回ずつ。足は10cm以上上げましょう。高く上げるほど強度が増します。体がぐらつく人は壁に手を当てて行ってもOK。
<デッドバグ>
寝た状態で左右の手脚を交互に伸ばす動きによって、腹横筋を鍛える効果が大。
寝て行うので運動が苦手な人でもやりやすいエクササイズです。腹横筋が鍛えられることで、体幹が安定します。
① あお向けになり、両脚を上げて膝と股関節を90度に曲げ、両腕は真っすぐ上に伸ばし、お腹をぺたんこにします。
② 右腕と左脚を伸ばしたら、元の位置に戻します。次に、左腕と右脚を伸ばし、元の位置に戻します。お腹はぺたんこにした状態をキープして行って。
この動きをリズミカルに10回。自然な呼吸で行いましょう。手脚を伸ばしたときに腰が反らないように注意。
【教えていただいた方】

SAWAKI GYM代表取締役。1991年よりトレーナー活動をスタート。静岡県の整形外科病院で、リハビリ後の患者からトップアスリートまで医学的根拠に基づき指導。その後、専門学校講師を12年、トレーナー団体理事を14年務め、のべ1万人以上を指導。現在はトレーナー活動のほか、講演会やメディアで健康情報を発信。著書は『4週間で姿勢がよくなる! スタスタ歩ける!長寿の体幹トレーニング』(大和書房)など多数。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/藤本 希 モデル/山下三輝(SAWAKI GYM) 取材・文/和田美穂
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