座り仕事が続くときは、1時間おきに立って体を動かして
体幹トレーニングを取り入れるのが理想的
デスクワークが中心の仕事だと、一日中座りっぱなしになることが多いので、夕方頃になるとどっと疲れが出てくるもの。毎日そんな状態だから、体力もどんどん低下…。
こんな状態を解決するには、どうすればよいでしょうか。
「座って同じ姿勢を長く続けると、体が硬くなって血流が悪くなるので、疲れやすくなってしまいます。体幹をはじめとする筋肉も使われないので衰えてしまい、姿勢がくずれるため、ますます疲れやすくなってしまいます」
このような事態を避けるには、デスクワーク中に、1時間に1回は立つようにすることです。
「作業に集中していると立つのを忘れやすいので、アップルウォッチなどで1時間ごとにアラームをセットしておくのもいいと思います。
そして立ったときに少し歩き回ったり、ストレッチをするなど、体を動かすようにしましょう。体幹トレーニングを取り入れるとさらによいです。
おすすめなのは、まずひとつが、体をひねるトレーニングです。
座っていると体をひねることがほとんどないので、ひねるときに使う脇腹の腹斜筋などが使われず衰えてしまいます。ですから時々体幹をひねるトレーニングを取り入れて、腹斜筋を刺激しましょう。
腹斜筋を鍛えると、姿勢が保ちやすくなるので疲れにくくなります。
また、座りっぱなしだとガニ股になりがちですが、これは内ももの内転筋が使われずに衰えているためです。
ですから内転筋が鍛えられるトレーニングも取り入れましょう。内転筋が鍛えられると、座り姿勢がくずれにくくなるので、これも疲れの予防につながります。
それから、座り仕事が続くと肩や背中が丸くなったまま硬くなりやすいので、肩や背中を伸ばすようなストレッチも取り入れましょう。
この3つを、1時間おきに1種類行うというように、できる範囲でいいので取り入れていけば、疲れにくくなっていき、体力もつきます。ぜひ習慣にしてみてください」(澤木一貴さん)
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<体幹ひねり>
体幹をひねって、衰えている腹斜筋を刺激。ひねりすぎると腰を痛めるので、勢いをつけずにゆっくりと行うのがポイント。左右均等に行って。

① 足を腰幅に開いて真っすぐに立ち、両手は胸の前でクロスさせます。鼻からゆっくりと息を吸います。

② 口から息を吐きながら、体を左にひねり、2秒キープ。次に、鼻から息を吸いながら①に戻ります。続いて、同様に右に体をひねりましょう。左右交互に10回。
<ガニ股スクワット>
内ももの内転筋を鍛えるスクワット。座りっぱなしだと衰えやすいお尻の筋肉も鍛えることができ、姿勢が安定しやすくなります。

① 足を大きく開いて立ち、膝とつま先は外に向けます。両手は太ももに当てましょう。

② 上半身を真っすぐに保ったまま膝を開いて、鼻から息を吸いながら、ゆっくりとしゃがんでいきます。次に、両手で膝を押して息を吐きながら立ち上がり、①に戻ります。これを10回。しゃがんだときに背中が丸まらないように気をつけましょう。
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<バナナストレッチ>
片腕を上に上げて上体を倒す動きで、丸くなった肩や背中をリセット。脇腹の腹斜筋も刺激されて、姿勢が改善し、疲れにくい体になります。

① 足をそろえて真っすぐに立ち、右腕を真っすぐ上に伸ばし、左手は腰に当てます。

② 息を吐きながら、上体を左に倒して2秒キープ。次に、息を吸いながら①に戻ります。これを5回。終わったら反対側も同様に。
腕を上げにくい人は…

腕を上げると痛みが出る人は、無理に上げなくてOK。ひじや手首を曲げた状態で行いましょう。
【教えていただいた方】

SAWAKI GYM代表取締役。1991年よりトレーナー活動をスタート。静岡県の整形外科病院で、リハビリ後の患者からトップアスリートまで医学的根拠に基づき指導。その後、専門学校講師を12年、トレーナー団体理事を14年務め、のべ1万人以上を指導。現在はトレーナー活動のほか、講演会やメディアで健康情報を発信。著書は『4週間で姿勢がよくなる! スタスタ歩ける!長寿の体幹トレーニング』(大和書房)など多数。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/藤本 希 モデル/山下三輝(SAWAKI GYM) 取材・文/和田美穂


