腹横筋や腹斜筋など体幹の筋肉を鍛えて、
天然のコルセットを作るのがお腹を引き締めるコツ
年齢を重ねるにつれ、お腹がぽっこり出てきてしまい、以前ははけていたパンツがきつくなってきた…。こんな悩みを抱えている40代、50代の女性は多いと思いますが、これはどんなことが原因なのでしょうか。
「もともと女性はお腹まわりやお尻に皮下脂肪がつきやすい傾向がありますが、糖質が多いものなどを食べすぎていると内臓脂肪も増えて、お腹まわりがぽっこり出やすくなってしまいます。また、体幹の筋肉の衰えも原因です。
特に、お腹の深部にある腹横筋や、体をひねるときに使われる脇腹の腹斜筋は、お腹まわりをコルセットのように包んでいるインナーマッスルで、これが衰えるとお腹がたるんでぽっこり出てしまいます。さらに、背骨が適切に動いていないこともぽっこりお腹の原因になります。背骨が適切に動かないと、腹横筋や腹斜筋などのインナーマッスルが使われにくくなり、腹腔内圧が高まらず、内側から支える力が弱くなるからです」(澤木一貴さん)
では、ぽっこりと出た下腹をすっきりと引き締めるには?
「腹横筋や腹斜筋を鍛える体幹トレーニングを取り入れましょう。また、インナーマッスルと同時に、お腹を縦に走るアウターマッスルの腹直筋も鍛えると、さらにお腹の引き締め効果が高まります。それとともに、背骨の可動域を広げる効果のあるエクササイズも取り入れるのがおすすめです。続けることですっきりと引き締まったお腹を取り戻すことができます。もちろん、普段の生活の中で食べすぎを防ぐことも欠かせません」
以下から、澤木さんおすすめの3つの体幹トレーニングをご紹介。できるものひとつずつからでもいいので、続けてみましょう。
<キャットドッグ>
お腹を丸めるときに、お腹の腹横筋や腹直筋を、背中を反るときに背中の脊柱起立筋を刺激。お腹のインナーマッスルを鍛えながら、背骨の可動域を広げることができます。

① よつばいになり、手は肩の下に、膝は股関節の下に置きます。このとき、おへそをのぞき込むようにしてお腹をグッと引き込み、背骨を丸くします。

② 顔を前に向けて、腰を反らします。これを5回繰り返します。痛みがある場合は、その方向に動かさないようにしましょう。
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<チェアレッグレイズ>
椅子に座って、足を胸のほうに近づけることで、お腹の腹横筋や腹直筋を鍛えることができるエクササイズ。呼吸を止めないように行いましょう。

① 椅子に浅く座り、背もたれに寄りかかります。手で椅子の座面をつかんで上半身を固定します。

② 息を吐きながら、お腹の筋肉を使って両脚を胸に引き寄せるように持ち上げます。腰を丸めるようにして脚を持ち上げましょう。脚を上げる高さは、無理のない範囲でOK。次に、息を吸いながら、ゆっくりと両脚を下ろして、①に戻ります。床に脚をつけずに、①、②を10回。
<脚はさみ>
椅子に座って、左右の脚を交差させる動きをすることで、腹横筋や内腹斜筋のほか、腸腰筋や内転筋も鍛えられます。お腹の引き締め効果抜群。

① 椅子に座って、手で座面をつかんで体を支え、両脚を椅子の高さに引き上げて大きく開き、真っすぐに伸ばします。このとき、お腹を引き締めます。

② 伸ばした脚を交差させて、開いたり閉じたりします。上になる脚を入れ替えながら、脚と脚がぶつからないようにして行いましょう。自然な呼吸をしながら行って。これを10回。
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【教えていただいた方】

SAWAKI GYM代表取締役。1991年よりトレーナー活動をスタート。静岡県の整形外科病院で、リハビリ後の患者からトップアスリートまで医学的根拠に基づき指導。その後、専門学校講師を12年、トレーナー団体理事を14年務め、のべ1万人以上を指導。現在はトレーナー活動のほか、講演会やメディアで健康情報を発信。著書は『4週間で姿勢がよくなる! スタスタ歩ける!長寿の体幹トレーニング』(大和書房)など多数。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/藤本 希 モデル/山下三輝(SAWAKI GYM) 取材・文/和田美穂


