股関節を動かさない生活でお尻の筋肉が衰えて、垂れ尻に
まずは、加齢とともにお尻が垂れてしまう原因を澤木さんに伺いました。
「お尻が垂れてしまうのは、大臀筋などのお尻の筋肉を使っていないからです。お尻の筋肉は、股関節を伸ばしたり、回旋させたりといった動作で使われます。ですから、起伏のあるところを歩いたり速歩きをすると、股関節がよく動いてお尻の筋肉がよく使われるのですが、普段から運動不足だったり、平坦なところばかり歩いていたり、いつもゆっくり歩いていたりすると使われにくくなり、衰えていきます。
また、現代人は一日中座りっぱなしでいることも多いので、このような生活だと余計にお尻の筋肉が衰えていきます。こうしてお尻の筋肉が衰え、垂れていってしまうのです」
そこで、お尻を引き上げるために澤木さんがすすめてくれたのが、以下の3つのトレーニング。
「以下の3つは、股関節を伸ばしたり、股関節から脚を外に開いたりする動きによって、お尻の大臀筋や中臀筋が効果的に鍛えられるトレーニングです。ひとつずつでもいいので、コツコツ続けてみてください。キュッと引き上がった丸みのあるお尻が取り戻せますよ」
お尻をキュッと引き上げるための体幹トレーニング
<クラムシェル>
横向きに寝て、膝を開き閉じする動きによって、お尻の大臀筋だけでなく、上部の中臀筋も鍛えることができます。

① 両膝を直角に曲げて横向きに寝て、手で頭を支え、反対側の手は体の前に置きます。左右のかかとをくっつけましょう。

② 左右のかかとをつけたまま上側の膝を開き、ゆっくり閉じます。閉じるとき、力は抜かないようにしましょう。この膝の開き閉じを20回。次に反対側を下にして同様に。
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<ドンキーキック>
お尻の大臀筋と、太もも裏側のハムストリングスを鍛えることができるエクササイズ。お尻が引き上がって、太もも裏側が引き締まるので、メリハリのあるヒップラインに。

① よつばいになり、手は肩の下に、膝は股関節の下に置きます。足首は曲げて指先を床につけます。

② 片法の脚の膝を直角に曲げたまま、上に高く引き上げます。腰が反らないようにお腹を引き締めて行うこと。次に、膝を下ろして①に戻り、今度は反対側の脚も同様に。これを左右で1回として10回。
<グッドモーニングエクササイズ>
股関節を付け根から曲げる動きによって、大臀筋をダイレクトに鍛えられるトレーニング。背中の脊柱起立筋の強化にも効果的。

① 足を腰幅程度に開いて立ち、軽く膝を曲げ、両手のひらを開いて両ひじを曲げ、耳の横にセットします。

② お尻を突き出しながら、上体を前に倒していきます。床と平行になるくらいまで倒せるのがベストですが、無理のない範囲で倒せばOK。次に、上体を起こし、①に戻ります。これを10回。
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【教えていただいた方】

SAWAKI GYM代表取締役。1991年よりトレーナー活動をスタート。静岡県の整形外科病院で、リハビリ後の患者からトップアスリートまで医学的根拠に基づき指導。その後、専門学校講師を12年、トレーナー団体理事を14年務め、のべ1万人以上を指導。現在はトレーナー活動のほか、講演会やメディアで健康情報を発信。著書は『4週間で姿勢がよくなる! スタスタ歩ける!長寿の体幹トレーニング』(大和書房)など多数。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/藤本 希 モデル/山下三輝(SAWAKI GYM) 取材・文/和田美穂


