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全身の健康維持に「コラーゲン」の効果とは? 1日の摂取量は? 効果的に摂るには?

「新しい生活様式」を明るく前向きに送るための、読んでトクする連載。今回は、美容だけではなく健康にも重要な役割を果たす「コラーゲン」についてです!

「コラーゲン」と聞くと、美肌に効果的なイメージがありますよね。でもコラーゲンは実は、全身の健康にも重要な役割を果たすのだそう。そこでコラーゲンの役割や効果的な摂り方などを知るべく、WEBセミナーに参加しました!

 

参加したのは、「次世代コラーゲン・カラダラボ」の発足記念WEBセミナー。「次世代コラーゲン・カラダラボ」はコラーゲンについて、さまざまな分野の専門家の知見や最新研究を交えながらコラーゲンの健康価値を見つめ直し、賢い摂り方を提案するために設立されました。

 

登壇者一覧

こちらの4人の識者が登壇し、講演しました。

 

◆コラーゲンは健康維持に欠かせない、全身に存在する「カラダのもと」

 

まず登壇されたのは、東京農工大学名誉教授の藤本大三郎先生。「次世代コラーゲン・カラダラボ」発足のご挨拶とともに、コラーゲンの基礎知識についてお話しくださいました。「コラーゲンは全身に存在する“カラダのもと”のような存在です。コラーゲンは全身のあらゆる場所に存在し、健康維持に欠かせません」(藤本先生)。

 

コラーゲンは全身に存在するカラダのもと

 

コラーゲンは1960年代から現在に至るまでさまざまな研究が行われ、体外からのコラーゲン補給でさまざまな健康予防や回復効果が期待できることが分かってきたそう。美肌のために、と思って摂っていたものが、知らず知らずのうちに全身の健康にも役立っていたんですね。

◆海外では身近な食品にコラーゲンをプラスした商品が増加

 

コラーゲンは日本でも一大ブームを巻き起こし、度々ブームが起きています。そんなコラーゲンのトレンドについて、株式会社グローバルニュートリショングループ 代表取締役社長の武田猛さんが登壇しお話くださいました。

 

武田さんによると、欧米でも近年コラーゲンブームが再燃。アメリカのコラーゲンサプリメントの市場は、2021年には2017年の倍以上に拡大しています!

 

アメリカのコラーゲンサプリメント市場規模推移

 

また、サプリメントだけでなくスナック菓子などの身近な食品にもコラーゲンをプラスした商品が増えているのだそう。「今や商品形態が多様で、スムージー、オートミール、コラーゲンショット、バイタルプロテインなど幅広くなっています」(武田さん)。コラーゲン素材の質も重要視されていて、体に吸収されやすい低分子化したコラーゲンペプチドが主流になっているそう。

 

日本では肌のイメージが強いコラーゲンも、今後は

「認知機能改善」

「アスリートのケガ予防」

「体重管理」

「フレイル・サルコペニア対策」

といった方面に活用されるといった可能性も期待されています。

◆私たちのコラーゲン摂取量は足りてる?効果的に摂るにはどうしたらいい?

 

あらゆる方面で重要視されているコラーゲンは、どのように摂ったらいいのでしょうか?その疑問について、Zetith Beauty Clinic銀座副院長の黒田愛美先生が登壇し、お話くださいました。

 

「コラーゲンは体を構成するたんぱく質の約30%を占め、体のすべての臓器に欠かせないとても重要な栄養素です」(黒田先生)。

 

ただし、体内のコラーゲン量は紫外線などで年々減少するほか、加齢でコラーゲン合成量も減ってしまうそうで、50代には20代の70%まで減ってしまいます。さらに、量だけでなく質も低下してしまうというショッキングな事実も!

 

年齢別体内コラーゲンの量

 

体内のコラーゲンが減ってしまうと、「骨粗しょう症」「肌のシワやたるみ」「関節の痛み」などさまざまな不調が起きてしまうそうで、これはしっかりコラーゲンを摂らないといけないですね!

 

ところが、コラーゲンは食事で摂るのでは必要量に足りていないのだそう。「食事からのコラーゲン摂取量は男性が1.8g、女性が1.7g程度。それに対して、適切な摂取量は1日5~10gです」(黒田先生)。

 

 

なんと、必要量の1/5程度しか摂れていなかったとは…。これは意識してコラーゲンを補給したいところですが、ただやみくもにたくさん摂ればいいわけではありません。

 

コラーゲンは繊維状のアミノ酸で、3つのロープが絡み合ったような構造です。このままでは吸収できないため、胃で3~4時間かけて消化され、小腸で8時間かけて吸収する必要があります。それに対して、サプリなどに含まれるコラーゲンペプチドは、コラーゲンを熱や酵素で低分子化したもので、吸収されやすいもの。より低分子なコラーゲンペプチドを選ぶことで、吸収されやすくコラーゲンを効率的に合成できるのだそう。

 

コラーゲンの吸収

 

こうしたコラーゲンの性質を踏まえっつ、コラーゲンをより効率よく体の中で働かせるためには、以下の3つのポイントをおさえることが大切です。

 

●できるだけ低分子で高吸収率のコラーゲンを摂る

●毎日こまめに分散して摂る

●コラーゲンの合成をサポートする「ビタミンC」「鉄」を一緒に摂る

 

これを意識することで、より効率よくコラーゲンを合成できるようになるのだそう。早速今日からやってみたいですね。

 

黒田先生のお話に出てきた「コラーゲントリペプチド」は、吸収の良さに加え、体への効果も注目されています。この「コラーゲントリペプチド」について、ゼライス株式会社 テクニカルセンター研究開発グループ課長の山本祥子さんが登壇し、注目のわけについてお話しくださいました。

 

コラーゲンを経口摂取してしっかり働かせるために大切なのは、「吸収率」と「必要な部位に届けること」だと山本さんは話します。

 

「経口摂取したコラーゲンペプチドは消化したのちに吸収する過程がありますが、アミノ酸3個でできたコラーゲントリペプチドは消化の過程がありません。小腸で直接吸収されるため、吸収性が非常に高く全身の必要な組織へと届くことがわかっています」(山本さん)。

 

コラーゲンペプチドの吸収メカニズム

 

実験により、「コラーゲントリペプチド」は、全身のあらゆるところに効果があることも明らかになっています。例えば血管の弾力性を上げたり、骨折治癒やアキレス腱断絶の回復スピードアップをしたり、軟骨のダメージを予防して正常に保つ、アトピー性皮膚炎の症状回復と体内の炎症反応の低減など、さまざまな効果が期待できるのだそう。効率よく全身の健康維持を支える作用をしてくれるんですね。

 

コラーゲントリペプチドの作用

 

知れば知るほど、コラーゲンは体に欠かせない大事な成分だと実感しますね。吸収のいいコラーゲンをこまめに摂って、美容と健康を維持していきましょう!

 

◆お話をうかがった先生がた

 

東京農工大学名誉教授/理学博士

藤本大三郎先生

東京大学理学部化学科卒業。東京医科歯科大学医学部助手、東北大学理学部助教授、浜松医科大学医学部教授、東京農工大学農学部教授を歴任。著書は、『コラーゲンの秘密に迫る―食品・化粧品からバイオマテリアルまで』(裳華房)、『長寿学―老化を防ぐ科学知識』(筑摩書房)他多数。

 

株式会社グローバルニュートリショングループ 代表取締役社長

武田猛さん

18年間の実務経験と18年間のコンサルタント経験を積み、36年間一貫して健康食品業界でビジネスに携わり、国内外650以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」に基づき、先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評があり、数々のヒット商品の開発に関わる。

 

Zetith Beauty Clinic 銀座 副院長/トライアスリート

黒田愛美先生

獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2011年品川スキンクリニック新宿院の院長、2013年には同クリニック表参道院院長に就任。その後は予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の専門医として全国のクリニックで活躍している。体の内側と外側のアンチエイジング、両方に精通する医師として、多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。2017年トライアスロン世界選手権日本代表選出。

 

ゼライス株式会社 テクニカルセンター研究開発グループ課長

山本祥子さん

民間の分析機関に入社後、2008年東北大学多元物質科学研究所に入所。その後、大手製薬会社の研究機関を経て、2012年ゼライス株式会社中央研究所(現:テクニカルセンター)に入社し現職。日本栄養・食糧学会、日本動脈硬化学会、日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本口腔インプラント学会、所属。博士(薬学)。

 

◆資料提供/コラーゲン・カラダラボ広報事務局

 

取材・文/倉澤真由美

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