体型が気になるから、と炭水化物を制限したことはありませんか?でも実はきちんと炭水化物をとる方が、ダイエットだけでなく健康や美容にもいいのだとか!そこで今回は、穀物のリーディングカンパニーである「はくばく」の発表会に参加し、大麦と健康について学んできました。
◆美容やダイエットのために、主食を減らすのは逆効果に
まず登壇されたのは、はくばく代表取締役社長の長澤重俊さん。
長澤社長は、食生活が多様化する中で、主食に対する日本人の行動も変わってきていると話します。「昔はお米の食べすぎで生活習慣病になるケースが多かったですが、今は逆に主食をとらなさすぎて健康トラブルが起きるケースが増えています」(長澤社長)。お米のとりすぎは肥満や糖尿病が心配ですが、食べなさ過ぎても大腸がんや糖尿病といった健康トラブルにつながるケースも。
健康トラブル対策で大切なのは、食物繊維をとること。穀物由来の食物繊維を1gとると、なんと約4000億円もの医療費削減につながるとも言われているのだとか!
今は主食として、白米のみを食べる人が多いですが、この「白米のみ」を改革していきたい!というのがはくばくがこれから行っていきたい主食改革。「昔は当たり前だった、お米に雑穀を混ぜる食文化を復活させ、健康を守るのはもちろんのこと、日本のお米を守っていきたい」と長澤社長は熱く語っていました。
◆穀物由来の食物繊維をとることで、健康トラブルを回避できる!
さらに詳しく教えてくれたのは、大妻女子大学教授の青江誠一郎先生。
先ほどの長澤社長のお話でも食物繊維をとることの大切さがありましたが、日本人の食物繊維摂取量は年々減ってきており、2018年のデータでは1日15g。OurAge世代の女性が目標としたいのは18g以上なので、足りていないのがわかりますね。
食物繊維の摂取量が減ってしまったのは、食生活の変化とも関連があります。「昔は食物繊維の44%を穀物から取っていたけれど、今は20%に減ってしまっています」(青江先生)。
食物繊維はお米に含まれるのはもちろんですが、雑穀、なかでも大麦には食物繊維がたくさん含まれており、生活習慣病対策にうってつけの食材。お米だけでなく大麦などの雑穀を食べることが大切なんですね。
◆知っておきたい!大麦の優れた5つの機能性
次に、炭水化物の中でも大麦の優れた機能について教えていただきました。大麦は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも含んでおり、この二つをバランスよくとることが健康のために大切です。
【1】肥満防止
食物繊維は、胃の中で食物の水分を吸収してカサが増えたり粘性が増すことで、胃の中にとどまる時間が長くなります。そのため満腹感を得やすく、食べ過ぎを抑えられます。
【2】便秘の予防・改善
不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみます。そのため便の量が増えて大腸の働きが活発になり、便秘の予防や改善につながります。また、長期間水溶性食物繊維をとることで、内臓脂肪の蓄積を抑制します。
【3】血糖値の急上昇を抑制
水溶性食物繊維は胃の中でゲル状になり、食事で一緒にとった糖質を吸着して十二指腸へゆっくり移動します。そのため糖質の消化吸収速度が遅くなり、食後の急激な血糖値上昇が抑えられます。
【4】コレステロール値を正常化
水溶性食物繊維はコレステロールや、コレステロールを原料としてつくられる胆汁酸を吸着し、小腸からの吸収を抑制します。血中コレステロールを減少させ、動脈硬化の予防も期待できます。
【5】腸内環境を整える
不溶性食物繊維が便の量や回数を増加させ、大腸は有害物質の影響を受けにくくなります。また、水溶性食物繊維は腸内細菌の働きで発酵し、善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
これだけいいことがあると、普段の食事に取り入れたくなりますね。
◆家族が雑穀米を食べてくれない悩みを解決する商品が登場!
こんなにも健康効果が期待できるなら、ぜひとも雑穀を中心に食物繊維をとる食生活をしていきたいですよね。ところが、「雑穀は、以前食べていたけれど…」と途中で断念する人も一定数いるのだそう。そういった雑穀を取り巻くお話を教えてくれたのが、はくばく商品戦略部第一課の金沙織さん。
はくばくが「雑穀を炊かなくなった理由」を調査したところ、「家族が食べたがらない」「白米を食べたい」という理由が多く挙がってきたのだそう。確かに我が家でもお米に雑穀を混ぜて炊くと家族は一応食べてくれるものの、白米に戻すと喜ばれた記憶があります…。
そんな白米が好きな人や白米好きの家族がいる人に朗報です! なんと、まるで白米のように炊き上がるもち麦が登場しました。
お茶碗によそった写真を見ても、パッと見ただけでは白米としか思えません。
もち麦は真ん中に線があり、丸くプチっとした印象がありますよね。この新商品はもち麦を半分に切断し、さらに削ってお米のような形に加工してあります。
簡単そうに思えますが、実はもち麦は削る過程で割れやすく、加工をするのが難しい穀物。それをはくばくの技術で克服し、0.01㎜単位で削りを調整して白米の形状にしています。さらに、選りすぐりの20品種を集め、さらにその中から最も白米になじむもち麦を選定して完成したのだとか!
もち麦の形を比べてみると、「白米好きのためのもち麦」は、まさにお米のような形ですね。
◆横澤夏子さんの食生活診断!惜しくも足りなかったものとは?
その後は、ゲストに横澤夏子さんを迎え、横澤さんの食生活診断をするトークセッションが行われました。管理栄養士の岸村康代先生、大妻女子大学教授の青江誠一郎先生とともに、横澤さんの普段の食事を見ていきます。
実際に横澤さんが食べている食事はこちら。「昼食は仕事でつくれないので、ラーメンやロケ弁などを食べています。夕食はしっかり栄養をとろうと意識していますね。朝は夜の残り物などになることが多いです」(横澤さん)。
3日分の食事の写真が映し出され、ドキドキした表情で「どうですか?」とジャッジを待つ横澤さん。青江先生は、「ちゃんと糖質もとれていていいですね。ただ、豆や海藻などの腸にいい食物繊維が足りないかもしれません」とアドバイス。
「確かに、スーパーで枝豆、わかめ、海苔などは全然買っていないかも…。今度から買うようにしてみます」(横澤さん)。
岸村先生も、「動物性脂肪や塩分が多くて、食物繊維や鉄分は少ないかもしれません」とアドバイス。横澤さんは「野菜をとろうと意識していたけれど、食物繊維は考えていなかったかも」と驚きの表情に。
バランスのいい食生活はもちろん大切ですが、横澤さんは仕事をしながら二人のお子さんを育てる母としての一面もあり、忙しくて食事を作るのも大変そう…。そんな人にぴったりの、主食でバランスをとるメニューを岸村先生が教えてくれました。
それがこちらの「もち麦のキーマカレー風炊き込みごはん」。雑穀、根菜、豆、海藻がこの一皿ですべて取れるし、炊飯器で作れるお手軽メニューです。
横澤さんも実際に試食し、「これはもう、すごい!美味しい!」と満面の笑みに。「豆の食感がホクホクだし、カレーも甘すぎず辛すぎず、子どもも大人も楽しめる味ですね」と大絶賛でした。
●もち麦のキーマカレー風炊き込みごはん
【材料】1合分(4人分程度)
米…1合
もち麦…1袋
鶏ひき肉(もも)…150g
(下味)塩…小さじ1/2、こしょう…適量
にんじん…1/2本(縦に半分)
ひよこ豆(缶)…30g
ひじき(乾燥)…1.5g
A:鶏ガラスープの素、カレー粉、しょうゆ…各大さじ1/2
B:鶏ガラスープの素…大さじ1/2
水、トマトケチャップ…各大さじ1
【作り方】
① 米を洗い、炊飯器の目盛りの少し少なめの水(分量外)を加え、もち麦と水(分量外)100mlを加える。
② 鶏ひき肉に下味をつけて混ぜておく。にんじんはさらに縦に半分に切り(縦に1/4の縦長に)、そのほかの材料を計っておく。
③ ①にAを入れてさっと混ぜ、②のひき肉、にんじん、ひよこ豆、ひじきを入れて炊飯する。
④ Bを混ぜておき、炊き上がったらにんじんを切るようによく混ぜ合わせ、器に盛り付ける。お好みでBを全体に混ぜ合わせていただく。
ちなみに、今回食生活診断をしてもらった横澤さんは、新潟出身で白米が大好き。そんな横澤さんも、「白米好きのためのもち麦」を試食すると、「見た目は形も色もお米そのもので、ちょっとプチプチしているくらい?白米と甘みも水分量も似ていますね」と驚いた様子。まさに、白米が好きな人にもぴったりですね。
我が家でも試しに、推奨している割合である「白米2合+もち麦2袋(1合分)」でご飯を炊いてみました。すると、びっくりするくらい炊きあがりは白米そのもの。どこにもち麦があるんだろう?と思ってしまいました。
家族に食べてもらってもあまり気付かれず、実は…と教えても「本当に入っているの!?」と驚かれました。カレーや納豆ご飯を食べる時はこっちがいいな、とも言われ、白米好きにも受け入れられる味なんだな、と実感しました。
毎日忙しくてなかなか料理に時間がかけられなくても、雑穀をプラスするだけで美容にも健康にもいいなんてありがたいですよね。気になる方は、ぜひ試してみてください!
◆資料提供/はくばく
取材・文/倉澤真由美