ここ数年のコロナ禍の影響などもあり、健康への意識が高まっています。
巷にはさまざまな健康情報があふれていますが、そんな中でも特に40代、50代の女性が知っておきたい、気になるキーワードをピックアップして解説します。
今回のキーワードは「完全栄養食」です。
この言葉、最近、商品も増えていることから、耳にしたことがある人は多いかもしれませんね。
完全栄養食とはどんなものなのか、リサーチしてみました。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に基づき、
1食に必要な栄養素が含まれる加工食品が「完全栄養食」
かつて“バランス栄養食”という商品が登場し、話題になったことがあります。
このバランス栄養食とは、炭水化物、タンパク質、脂質、食物繊維など、特定の栄養素を手軽に補える食品のこと。
これに対して、最近増えている「完全栄養食」というのは、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」に基づき、1食に必要な栄養素が含まれている加工食品のことです。
1食で1日の必要量のうちのどれくらいが補えるか、また含まれている栄養素の数も、メーカーや商品によって異なります。
健康を維持するためには、炭水化物、タンパク質、脂質に、ビタミン、ミネラルを含めた5大栄養素をバランスよくとることが大切といわれています。
とはいえ、毎日の食事でこれらの栄養素を過不足なく補うのは、現実的にはなかなか難しいもの。
意識しないと自分の好きなものばかりとってしまい、栄養も偏りがちですよね。
でも完全栄養食なら、その食品を食べるだけで手軽にバランスよく補うことができるのです。
例えば、最近コンビニでよく見かける「BASE BREAD」は、1食に必要な33種類の栄養素がすべてとれる完全栄養パンとして人気が高まっています。
ほかにも完全栄養食の商品は最近続々と増えていて、パンのほかクッキー、ドリンク、パスタやカレーなどまでさまざまな種類があります。
忙しくて食事をきちんととる時間がなかったり、外食続きになったりすると、どうしても栄養が偏りますが、1食を完全栄養食に置き換えたり、間食として取り入れたりするだけで、不足した栄養を手軽に補給することができるので、多忙な現代人の強い味方です。
年齢や性別、生活習慣など、一人一人の状態に合わせて
主要な栄養素がバランスよく適切に調整された「最適化栄養食」も登場
さらに、最近、「最適化栄養食」と呼ばれる食品も登場しています。
「一般社団法人 日本最適化栄養食協会」のWEBサイトによると、最適化栄養食とは、「年齢や性別、生活習慣など、一人ひとりの状態に合わせて主要な栄養素がバランスよく適切に調整された食で、ターゲットとする対象者における健康に与える影響がヒト試験などで検証された食を指します」とあります。
さらに「普段の食事と変わらないメニュー、変わらないおいしさでありながら、一人ひとりの状態に合わせて主要な栄養素が適切に調整されていること」が最大の特徴とされています。
必要な栄養素や量は、年齢や性別、生活習慣などによって異なる、ということも踏まえて作られたのが最適化栄養食とすると、完全栄養食よりさらに一歩、前を行く食品ともいえそうです。
33種類の栄養素とおいしさのバランスを追求した「完全メシ」が話題
2023年9月4日の時点で、日本最適化栄養食協会から最適化栄養食として製品認証を受けているのが、次の4品。
日清食品の「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」「完全メシ 日清焼そば U.F.O. 濃い濃いお好みソース焼そば」「完全メシ ハヤシメシ デミグラス」「完全メシ トマトクリームポタージュ」です。
コンビニやドラッグストアなどで見かけたことがある人や、すでによく食べているという人もいるかもしれませんね。
これはどんな商品なのかをチェックしてみましょう。
「完全メシ」とは、「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素とおいしさのバランスを追求したシリーズ。
日清食品の最新フードテクノロジーを駆使し、栄養素独特の苦味やエグ味を抑え、普段の食事と変わらないおいしさと栄養との理想的なバランスを実現。
タンパク質、脂質、炭水化物の3大栄養素とともに、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく入っていて、しかもおいしく仕上げられているのが特徴。
商品は、「カレーメシ 欧風カレー」のほか、2023年9月4日に発売になった3品「日清焼そば U.F.O. 濃い濃いお好みソース焼そば」「ハヤシメシ デミグラス」「トマトクリームポタージュ」や、「キーマカレーメシ スパイシー」「日清焼そば U.F.O. 濃い濃い汁なし担々麺 」「グリーンスムージー」「キャラメルラテ」「フルーツグラノーラ」「かつ丼」「ボロネーゼ」など、23種類ものラインナップになっています。
上は「完全メシ」のラインナップのイメージ写真です。
栄養素がバランスよく配合された食品というと、味は二の次になりがちですが、「完全メシ」は、さまざまな加工技術や旨味素材を駆使し、おいしく食べられるように仕上がっているというのがうれしい点。
また、世界中から約170の塩を集めて研究を重ね、ミネラルやアミノ酸などを配合することで、少ない塩でもおいしく感じられるようにしてあるそう。
お米を使っているものは、お米と栄養素を一緒に炊き込むことで、米本来のおいしさはそのままに栄養素の配合を可能に。
さらに米の食物繊維を強化してカロリーコントロールも可能にし、その新技術は特許出願中なのだとか。
最適化栄養食として認証を受けた初の食品「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」
そんな「完全メシ」の中で、最初に最適化栄養食として認証を受けた「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」は、お湯をかけるだけでOKの欧風カレー。
以下のグラフのように、主要な栄養素がバランスよく適切に調整されています。
コリアンダー、カルダモンなどのスパイスに玉ねぎの旨味と甘味の深いコクがあり、唐辛子でピリッと仕上げた本格的な味わいです。
● 完全メシ カレーメシ 欧風カレー 1食 ¥429/日清食品
■「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」の場合
グレーの三角が 「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」、
赤い三角が「理想の三大栄養素のバランス中心割合」(※1)を示しています
•※1 三大栄養素のバランスとは、食事の三大栄養素であるタンパク質(Protein)・脂質(Fats)・炭水化物(Carbohydrates)のエネルギー比のこと。
下のグラフは、三大栄養素のバランスの指標範囲の中央値(P:16.5%/F:25%/C:57.5%)を100として、図式化したものです。
上のグラフからは、「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」は、タンパク質、炭水化物、脂質の3大栄養素のバランスが整っていることがわかります。
また、「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」に含まれる栄養素は、下記のグラフの通りです。
3大栄養素のほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸など、33種類の栄養素が過不足なく摂取できるように設計されています。
お湯をかけるだけで作れるので、在宅ワークで昼食を手軽にすませたいときなどにも便利ですよね。
──完全栄養食や最適化栄養食は、これからもますます種類が増えていきそうで、今後の展開にも注目したいところ。
栄養素はやはり毎日の食事からとることが基本ですが、必要な栄養素をすべて自分の調理でカバーするのは至難の業。
こうした加工食品の力を借りて、日々の食事のサポート役として、うまく活用していきたいですね。
取材・文/和田美穂 取材協力、商品写真・資料提供/日清食品