老化を予防する、話題のNMNは救世主になる⁉
長寿遺伝子を活性化させる抗老化ビタミンであるNADを増やす物質として、今注目されているのがNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)です。「これはビタミンB3から作られる物質で、摂取すると体内でNADに変換され、老化の抑制効果があるとして、サプリメントが登場しています。マウスの実験では老化を防ぎ、糖尿病や認知症などを抑制する効果が確認されています。
例えば、アルツハイマー型認知症になったラットにNMNを1日500㎎/㎏を10日間投与することで、空間学習認知機能と記憶力が健康なラットと同じくらいのレベルに回復しました」
NMNの人への研究が進行中
今、人への研究も急ピッチで進行しています。「例えば、アメリカで閉経後の肥満女性25人に1日250㎎のNMNを8週間投与する研究が行われ、代謝への有効性が報告されています。どのような状態の人に用いると、安全で有効性があるかが明らかになれば、老化による体調悪化を防止できるかもしれません」。糖尿病や認知症、身体機能の改善に役立てば、将来的にスーパー高齢者が増える可能性が⁉
●動物で確認されたNMNの効果
ワシントン大学の今井眞一郎教授の研究による、NMNの動物実験で見られた老化抑制結果。
大阪大学大学院医学系研究科内科学名誉教授。日本老年医学会前理事長、日本高血圧学会前理事長
構成・原文/山村浩子