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内臓脂肪が勝手に落ちていく決め手「〇〇〇オイル」の驚くべき健康効果、とり方のコツとは?

更年期以降、女性につきやすくなる内臓脂肪は、放っておくと生活習慣病の原因に。早めの内臓脂肪撃退によいと、人気が高まっているのが「MCTオイル」。はたしてどんなもの? MCTオイル生活で、自身の脂肪をご飯茶碗約92杯分も落とすことに成功した、形成外科医であり分子栄養学認定医でもある齋藤真理子先生に教えていただきました!

 

MCTオイルは、脂肪を減らし基礎代謝を上げて脂肪燃焼体質に導く

この連載の第3回でもご紹介したように、内臓脂肪が勝手に落ちていく体づくりをサポートしてくれるのがMCTオイル。まずは、その効果について改めて伺いました。

 

「MCTオイルとは、中鎖脂肪酸の英語名Medium Chain Triglycerideの略称で、母乳や牛乳などの乳製品や、ココナッツやしなどのヤシ科の種実に含まれる成分。

 

まず、MCTオイルは、脂肪が勝手に燃えていく“脂肪燃焼体質”づくりをサポートしてくれます。

脂肪燃焼体質になるには、糖質を制限してエネルギー不足を起こすことで、脂肪をケトン体に変えてエネルギーにする“脂質代謝”の状態にするのがポイント。

 

ただ、極端な糖質制限は体に負担をかけるうえ、リバウンドしやすいのが難点。

そこで活用したいのがMCTオイル。

一般的な油と比べて4倍速く分解され、脂肪としてたまりにくいうえ、MCTオイルをとると、厳しい糖質制限をせずともケトン体が産生され、体内の脂肪を使ってどんどんケトン体を作る“脂肪代謝”に変わります。

また、ケトン体が増えると、ミトコンドリアが活性化し、基礎代謝もアップ

脂肪が減って、基礎代謝が上がるというふたつの効果で脂肪燃焼体質に変わるのです。

 

ケトン体には満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果もあるので、食べすぎ防止効果も期待できます。

さらに、MCTオイルにはインスリン抵抗性を改善する効果があり、食後血糖値の急上昇を抑えて、血糖値を安定させる効果も。そのため糖が脂肪として吸収されづらくなります。これらの効果から内臓脂肪も落ちやすくなるのです」

 

そんなMCTオイルに関するさらなる疑問について、齋藤先生にお答えいただきました。

 

Q MCTオイルは、内臓脂肪を減らす以外にどんな効果がありますか?

A  炎症の抑制や、がん予防、腸内環境改善、認知症予防、肌の老化防止などが期待できます

「さまざまな病気や老化を進める原因になるのが、体で起こる慢性炎症ですが、MCTオイルには、抗炎症性サイトカインであるIL-10の分泌を増やし、炎症を抑え込む作用があるとされています。

また、MCTオイルを用いた食事療法で脂肪燃焼体質になると、糖質を餌とするがん細胞が餌不足に陥るので、がん予防にもつながるといわれています。また、MCTオイルには抗菌作用もあり、腸内の悪玉菌を減らし、腸内環境を整えてくれます。それによってアレルギーの抑制にもつながるという研究結果も報告されています。

 

さらに、アメリカでは、ココナッツオイルやMCTオイルが認知症予防に有効であるという報告も発表されていますし、血糖値が上がりにくくなることでシミやシワなど肌の老化を進めてしまうAGEs(終末糖化産物)が生まれる機会が減り、肌の老化予防効果も期待できます。そのほか、ケトン体が増えると血流が改善するので、冷え症の改善効も期待できます」

Q MCTオイルは、いつとるのが最も効果的?

A 毎食とるのがよく、特に必ずとりたいのが朝と昼

「MCTオイルをとるのに慣れてきたら、毎食の習慣にしていただきたいのですが、特に意識してとるとよいのが朝と昼です。

その理由は、一日のうちでもエネルギーを多く消費する時間帯だからです。

MCTオイルを朝や昼にとると、脂肪燃焼回路で生まれたエネルギーが有効活用でき、パフォーマンスも上がります。

 

全体的な摂取量が大さじ3以下であれば、一日に何度“かけオイル”をしてもOKです。

また、MCTオイルの効果は、体内で消化されるまでの約3時間〜最大10時間までといわれているので、間食も含めてちょこちょことこまめに摂取するのがおすすめ。食事ではスープやサラダなどいろいろな料理に、また、間食ではコーヒーや豆乳などのドリンクや、ヨーグルトやナッツなどのおやつにかけるのもいいいですね」

 

Q 職場でのランチで、MCTオイルをうまく取り入れるには?

A 容器に入れて持ち運んで、ランチにかけましょう

「ランチでもMCTオイルをとるためには、持ち歩くのがおすすめ。100円ショップなどで購入できる小さなしょうゆ入れなどに入れると携帯しやすいです。

また、最近は小分けパウチに入ったMCTオイルも市販されているので、それを携帯するのもよいでしょう。

外食の場合にも、お弁当の場合にもかけてください。MCTオイルを一緒にとると、糖質だけ摂取したときよりも、糖質がエネルギーとして早く燃焼され、体脂肪になりにくいという研究結果があります。

 

また、MCTオイルは腹もちがよく、一般的な食用油を含む食事のときより、食後に空腹感を覚えにくいという報告もあるのでおすすめです」

 

Q MCTオイルは、筋トレなどの運動をしている人にもおすすめでしょうか?

A 筋肉の減少を防ぐことができ、持久力もアップするのでおすすめ

「MCTオイルは、筋トレをしている人にもおすすめです。

MCTオイルを使うことで脂肪燃焼体質になると、脂肪から優先的に使われるようになるので、筋肉の減少を防ぐことができ、筋トレの効果をサポートしてくれます。

実際、オフシーズンの大学レスリング選手に対して、サラダ油とMCTオイルをそれぞれとらせて筋肉量を調べた研究では、サラダ油を摂取したグループは筋肉に減少傾向があったのですが、MCTオイルを摂取したグループは筋肉が維持されたという結果が出たようです。

 

また、MCTオイルをとるとエネルギーが生まれるので、持久力が約1.5倍もアップしたという研究報告もあり、疲労しにくくなる効果が期待できます。

MCTオイルは最も効果を発揮するのが3時間後といわれているので、運動の3時間前までに摂取しておくのがポイントです。

もちろん、筋トレだけでなく、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動の場合にも疲れにくくなるのでおすすめです」

MCTオイルを生活にうまく取り入れて、ダイエットや健康&若さの維持に役立てましょう。

 

 

【教えていただいた方】

齋藤真理子
齋藤真理子さん
医学博士。日本形成外科学会専門医。分子栄養学認定医。
公式サイトを見る

医療法人社団山本メディカルセンター理事長。2010年に同センターに入職し、皮膚科・形成外科を立ち上げる。アンチエイジング分野にも取り組み、メディカルエステ、ドクターズコスメなどの開発・販売も手がける。2016年山本メディカルセンター2代目院長に就任。皮膚科・形成外科、美容皮膚科、内科、人間ドック、訪問看護ステーションを統括。分子栄養学の観点からメニューを考案しているカフェレストラン「桜山茶寮」も運営。著書に『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)がある。

 

写真/Shutterstock   取材・文/和田美穂

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