内臓脂肪を落とすだけじゃない! MCTオイルのすごいパワー
まずは、MCTオイルの効能について、改めて齋藤真理子先生に伺いました。
「MCTオイルとは、中鎖脂肪酸の略称で、脂肪が勝手に燃えていく“脂肪燃焼体質”づくりをサポートしてくれます。
MCTオイルは一般的な油より4倍速く分解され、脂肪としてたまりにくいうえ、とると厳しい糖質制限をしなくてもケトン体が産生され、体内の脂肪を使ってどんどんケトン体を作る“脂肪代謝”に変わります。
ケトン体が増えると、ミトコンドリアが活性化し、基礎代謝もアップ。
脂肪が減って、基礎代謝が上がるというダブル効果で脂肪燃焼体質に変わるのです。
ケトン体には満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果や、食後血糖値の急上昇を抑えて、血糖値を安定させる効果もあります。これらの効果からMCTオイルを毎日の食事に取り入れると内臓脂肪も落ちやすくなるのです」
さらに、MCTオイルには、内臓脂肪を減らす以外にも、以下のような多くの効果があるそう。
MCTオイルをとると期待できる健康効果
・抗炎症性サイトカインであるIL-10の分泌を増やし、炎症を抑え込む。
・MCTオイルを用いた食事療法で脂肪燃焼体質になると、糖質を餌とするがん細胞が餌不足に陥ってがん予防につながる。
・腸内の悪玉菌を減らし、腸内環境を整える。
・認知症を防ぐ。
・肌の老化を防ぐ。
・ケトン体が増えることで血流がよくなり、冷えが改善する。
このような効果が期待されるMCTオイルを、手軽にとることができる齋藤先生おすすめのレシピが以下の3つ。
MCTオイルを使った簡単レシピ
豆腐のとろーり親子丼
高タンパク低脂肪の鶏胸肉を使った親子丼。ご飯は、この連載第3回で紹介した“満腹豆腐ご飯”にすることで糖質量をかなり減らせます。
豆腐と卵からもタンパク質がとれる点が◎。MCTオイルは火を止めてから最後にかけるのがポイントです。
材料(2人分)
玉ねぎ…1/4個
鶏胸肉…100g
卵…3個
MCTオイル…小さじ2
満腹豆腐ご飯…適量(作り方は第3回参照)
青ねぎ…適量
七味唐辛子…適量
A
みりん…大さじ1
めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ2
水…大さじ3
作り方
① 玉ねぎは薄切り、鶏胸肉はそぎ切りにする。
② フライパンにAと玉ねぎを入れてふたをし、2分ほど中火で煮る。
③ ふたを開けて鶏胸肉を加え、粗く溶きほぐした卵を半分回し入れ、再びふたをして1分煮る。
④ ふたを取り、残りの溶き卵を回し入れる。火を止め、MCTオイルを入れてふたをし、1分蒸らす。
⑤ どんぶりに満腹豆腐ご飯を盛り、④をのせて青ねぎを散らす。七味唐辛子をふる。
香りオイルだれのやみつき鍋
白だし、青じそ、青のりにMCTオイルをミックスして作るたれにつけていただくヘルシーな鍋。香りが豊かで、やみつきになる味わい。糖質は少なめで、タンパク質をしっかりとることができます。
材料(作りやすい分量)
鶏もも肉…1枚(250g)
塩…小さじ1
酒…大さじ1
白菜…1/8株
長ねぎ…1本
しめじ…1/2パック
油揚げ…1枚
豆腐…1パック(150g)
にんじん…20g
[たれ]
MCTオイル…小さじ2
白だし…100ml
青じそ(みじん切り)…10枚
青のり…大さじ1
作り方
①鶏もも肉はひと口大に切り、塩と酒をふっておく。
②白菜はざく切り、長ねぎは斜め切り、しめじは石づきを切り落とし、小房に分ける。油揚げは短冊切り、豆腐はひと口大に切る。にんじんは半月切りにする。
③鍋に水1ℓ(材料外)と①を入れ、中火にかける。煮立ってアクが出たら取り除く。
④鶏肉に火が通ったら、②を加える。
⑤たれの材料を混ぜ合わせ、取り皿に適量入れる。煮汁も適量入れ、具材をつけながらいただく。
鶏ささ身のヘルシーねぎ塩だれ
高タンパク低脂肪の鶏ささ身に、たっぷりのねぎとMCTオイルで作るたれをかけて、ジューシーにいただく一品。糖質量は1人分4.7gと少なめで、ダイエット中にぴったり。レモンの酸味が効いた爽やかな味わい。
材料(2人分)
鶏ささ身…4本(200g)
塩…少々
酒…少々
ブロッコリー(小房に分ける)…1/4株(50g)
[たれ]
長ねぎ(みじん切り)…1本分
鶏ガラスープの素…小さじ1
塩…小さじ1/2
レモン汁…大さじ1
MCTオイル…小さじ2
粗びき黒こしょう…適量
作り方
①鶏ささ身は縦半分に切る(筋がある場合は取り除く)。塩、酒をふり耐熱皿に並べてラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分30秒加熱する。
②ラップを取り、ささみの上下を返したら、隙間にブロッコリーを置いて再びラップをかける。1分加熱し、そのままおいて1分蒸らす。
③たれの材料をボウルに入れ、②の汁も加えてよく混ぜ合わせる。
④②を器に盛り、③をかける。
試してみてくださいね!
【教えていただいた方】
医療法人社団山本メディカルセンター理事長。2010年に同センターに入職し、皮膚科・形成外科を立ち上げる。アンチエイジング分野にも取り組み、メディカルエステ、ドクターズコスメなどの開発・販売も手がける。2016年山本メディカルセンター2代目院長に就任。皮膚科・形成外科、美容皮膚科、内科、人間ドック、訪問看護ステーションを統括。分子栄養学の観点からメニューを考案しているカフェレストラン「桜山茶寮」も運営。著書に『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)がある。
写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂 料理写真協力/『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)