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40代、50代は注意!食事だけじゃない、意外な要因が血糖値を乱高下させていた!

「血糖値は食事だけで決まる」と思っていませんか? 実は、運動の有無、ストレス、睡眠…など、さまざまな要因で乱れます。今回も血糖値モニター機器「リブレ」を使い、40代・50代の読者モニターがリアルに測定! 意外な変動パターンを、糖尿病の専門家・山村聡先生とともに徹底検証します。

【教えていただいた方】

山村 聡
山村 聡さん
糖尿病内科医
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九州大学医学部卒業。2025年12月に「やさしい内科クリニック」を開院。糖尿病啓発・予防のため血糖値に関するSNS発信を行っている。豊富な診療経験をもとに、一人一人のライフスタイルに合わせた血糖値改善、ダイエットプログラムの開発にかかわるなど、病気の予防と医療の架け橋として活動中。 自らの体を実験台にしてさまざまな食材の血糖値を測定するYouTubeチャンネル「やさしい内科医のY's TV」が人気。登録者数は8万人超。初の著書『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』が3月に発売される。

 

今さら聞けない! 血糖値と健康のリアルな関係

「40代、50代以降の女性が、どうして血糖値を気にする必要があるのかわかりますか?

高血糖が糖尿病につながるということはもちろんですが、それ以外にも注目してほしい理由があります。

 

ひとつは、血糖値の急上昇・急降下が頻繁にあると血管が傷つくということ。

動脈硬化が進みやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などのリスクが上がってしまいます。

 

ふたつ目は、血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを出すすい臓が、酷使されて疲れてしまうということ。

ただでさえすい臓は加齢で老化しますから、酷使されるとインスリンを出す力がいっそう弱くなります。そうなると血糖値が高い状態が続いてしまう。これもまた動脈硬化のリスクです。

 

体中を巡る血管を守るためにも、血糖値の乱高下は避けるべきなのです」

 

そう教えてくれるのは糖尿病の専門家であるドクター、やさしい内科医こと山村聡先生です。

 

血糖値を理解するために、用語を整理しておきましょう。

血糖値測定のイメージ

※写真はイメージです。

 

●血糖値:血液中のブドウ糖の濃度のこと。
●インスリン:すい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる役目。
●血糖値スパイク:血糖値が急上昇し、その後急降下する状態。グラフにスパイクのようなトンガリができることからこう呼ばれます。特に血糖値ピークが180を超え、かつ30分で60mg/dL以上急上昇した場合を指します。
●空腹時血糖値:正常範囲は70~99 mg/dLが目安。
●高血糖:ここでは180 mg/dL 以上を明らかな高血糖とします。一般的には食後140 mg/dL を超えると注意が必要。
●低血糖:血糖値が70 mg/dL以下の状態のこと。特に 55 mg/dL以下 は「重度低血糖」

 

記事が続きます

同じ人でもこんなに違う!仕事の日と休みの日で、血糖値の動きが別人級!

さて、山村先生が自身のYouTubeチャンネルで血糖値測定に使用しているのは、「FreeStyleリブレ」という血糖値の変動を持続的にモニタリングできる機器です。インスリン治療が必要な糖尿病の患者さんでは、数年前から保険適用になっているもの。

 

今回は、40代、50代の読者モニター4名がリブレを装着し、2週間にわたって血糖値をモニタリングしました。
注目したいのは、日によって血糖値の変動パターンが大きく違うことです。

 

例えば、Mさんの血糖値を一日の変動グラフで見てみましょう。

平日は会社に通勤してデスクワーク、土日は休日というライフスタイルです。

 

平日、デスクワークが多かった日の血糖値推移

平日の血糖値グラフ
ある平日、通勤の日でした。
7:00朝食 11:00間食(赤福2個) 13:00昼食 17:30間食(栗ようかん&せんべい) 20:20夕食
通勤(徒歩20分+電車45分)×往復、仕事で外出徒歩50分+電車30分

 

 

休日、テニスや買い物へ出かけた日の血糖値推移

休日の血糖値グラフ
ある休日、買い物やテニスの日。
8:20朝食 13:10昼食 15:30〜テニス80分 18:10間食(もちどら焼き)20:20夕食
買い物や移動で徒歩90分+電車10分

 

このグラフの大きな違い。山村先生に分析をお願いすると…。

 

「デスクワークをしていた上のグラフの日は、ジェットコースターのように血糖値が乱高下していますね。

まず、昼食で思い切り血糖値スパイクが起きています。昼食前におやつを食べて200mg/dLまで上昇し、さらに昼食を食べているのでもう一度上がっている。

その反動でインスリンが多量に出たのか、今度は血糖値が急降下。そして、遅めの夕食でまた血糖値スパイクになっています。

これはデスクワークの方の典型的なパターンです。

グラフを見るだけで、急に血糖値が下がった午後の眠気が大変だろうなと想像できますね」

 

ちなみに、昼食後はエネルギーがすぐに消費されづらいため、糖質控えめの食事、早食いせずに時間をかけてゆっくり食べる、食後すぐに運動してエネルギーを消費する、などが血糖値スパイクを避けるために必要だそうです。

 

「対する休日。こちらは仕事の日と比べて、変動が小さめです。

テニスをした分、エネルギーが消費されて血糖値もストンと下がっています。小さなトンガリはふたつありますが、ピークが150mg/dLくらいなのでスパイクとはいえない程度ですね。

仕事のストレスがないことも血糖値の動きが穏やかな理由かもしれません。

オフィスに出社しただけで血糖値が上がる人もいるんですよ」

 

同じ人でも、平日と休日でこんなに血糖値の動きに差が出るなんて驚きです!

 

「食べ物の糖質量が血糖値を左右することは明らかですが、血糖値に影響するものはほかにもあるんです。

例えば、何も食べていないのに血糖値が上がったり下がったりするのは、ストレスとかホルモンの影響だったり、運動の有無も関係します

お風呂に入っただけでも血糖値は変動するし、空腹の長さも影響するんですよ」

 

 

※血糖値の変動には個人差があり、モニターの結果はあくまで一例です。同じ食材をとっても人によって、また食べるタイミングなどによって変化します。

※モニターはFreeStyleリブレ2を2週間装着して間質液中のグルコース値を測定しました。間質液中のグルコース値は血糖値と相関することが知られています。この記事中では、間質液中のグルコース値を「血糖値」としています。

 

 

取材・文/蓮見則子

 

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