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「免疫力」アップに、ビタミンCやDはどう役に立つの?

新型コロナウイルスの影響から【免疫】への注目度が高まっていますよね。

 

「休校やテレワークなどが実施されて緊張感も増している今、このような状況下においてビタミンの有効性が過剰に表現されている例が報じられています。科学的エビデンスが明確でないにも関わらず一部で新型コロナウイルスへのビタミンの有効性アピールが行われているのは問題です。そこで私たちが出来るのは、ビタミンやミネラルなどの栄養素が免疫にどう関わっているのか、正しい知識を伝えることだと考えました」とは、DSM ニュートリションサイエンス&アドボカシー APAC リージョナルマネージャーを務める、薬学博士の乾 泰地(いぬい たいち)さん。

 

オランダに本社があるDSMは世界55カ国で食品や栄養補助食品、化粧品原料などを展開するグローバルカンパニーで、世界で唯一、ビタミン全13種類を扱うリーディングサプライヤーでもあります。

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参加者の外出などによる感染リスクの低減を考慮して、ウェビナー(インナーネット上のセミナー)での勉強会を開催。今回は、ここで学んだ興味深いお話をご紹介します!

DSM2

「人間の体に備わっている免疫機能は3段階で病原体から身を守っています。病原体が入り込まないよう、体外から物理的・科学的に防御するのが第1段階です」

 

皮膚や粘膜がその役割を果たしているわけですよね。それに加え、手洗いやうがい、マスクを付けるなどが今の私たちに出来る対策だと言えます。

 

「次に、体内に入ってきた病原体を排除する〈自然免疫〉、感染した病原体を排除する〈獲得免疫〉が機能します。獲得免疫は〈適応免疫〉とも呼ばれ、この仕組みを活用しているのが予防接種です」

DSM3

では、栄養素はこれらの免疫とどんな関わりが?

 

「日本の健康食品で使える機能性表示の中には〈免疫〉という言葉は入っていません。これは、健康維持増進の境界付近において表示ができる範囲に制約があるためですが、実は免疫に深く関わっているものがいくつかあります。例えば、肌のバリア機能を高めるという表示は免疫機能の第1段階に当てはまります」

 

上の図は、それぞれの微量栄養素が免疫システムにどんな作用をもたらしているかを示したもの。青の〈物理的・科学的防御〉、黄色の〈自然免疫〉、赤の〈獲得免疫〉のほか、オレンジの印が付いたものは〈自然免疫〉〈獲得免疫〉の両方をサポートする働きとか。

 

「まず、ビタミンCは免疫細胞の一種である白血球の機能維持など〈自然免疫〉を高めることが知られています。白血球の中にはビタミンCが多く貯蔵され、風邪などの病原体と闘うときにビタミンCが消費されているのです。また、獲得免疫に関わる細胞のひとつであるT細胞の分化を促進することもわかっています」

 

ビタミンCの摂取基準は1日あたり100mgとされていますが、200〜500mgを摂取している人は風邪症状の期間が短くなるという研究結果もあるんですって。

DSM5

「ビタミンDは自然免疫の応答性を高めたり、殺菌作用を発揮する抗菌ペプチドの発現を誘導するほか、近年の研究では体内の様々な細胞にビタミンD受容体が存在しているとあきらかになってきました」

 

ビタミンD血中濃度が高い人は風邪にかかりにくいという報告もあるものの、2013年度の調査では成人の8割以上がビタミンD不足(欠乏状態の人も!)という現状があります。Dを含む食べ物といえば、鮭や鯖などの魚、チーズ、きのこ類など。どうですか? 皆さんはしっかり摂取できてますか?

DSM4

ビタミンAはリンパ球の増殖と分解や、自己免疫疾患の発症を防ぐ作用があることが知られている、と乾さん。また、粘膜や皮膚の構造を強化する機能があるため、病原体の侵入を防ぐのにも貢献。

 

「そのほか、オメガ3は免疫応答の調整など免疫系のバランスを保つ作用が認められており、抗酸化ビタミンとして作用するビタミンEはビタミンCをリサイクルするという大事な役割も担っています。また、ビタミンB群は抗体を含むタンパク質合成に深く関わっているため、最適な免疫機能を維持するには十分に摂取する必要があります」

 

ミネラルは酵素の活性に重要で、なかでも亜鉛は体内で蓄積できないので毎日の摂取を意識することが大事なのだそうです。

DSM6

「このように栄養素はそれぞれに複雑な免疫システムをサポートするよう連動して作用するため、どれか1つを摂っていればいいというものではありません。また、栄養素の摂取量は、持病やストレスなどの健康状態によって推奨量以上に必要な場合があることも覚えておきたいポイントです」

 

栄養補給は、感染を予防したり病気を治す効果があるわけではありません。とはいえ、重症化を抑えたり、体の自然な回復機能を促進するのに必要だったのです。だからこそ、自分に不足している栄養素は何なのかをちゃんと知り、必要な量を摂取することが大切。まずはバランスの取れた食事を心がけ、それでも不足しがちな栄養素はサプリメントを上手に活用していきたいものです。

 

取材・文/佐藤素美

 

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