乳がんでごっそり買い替えたものは?
一通りの治療が終わった今、ここまで数回に渡ってまとめてきましたが、その後どのように過ごしているか、生活の工夫などについてお伝えしますね。
それは下着です。
私の場合、乳房全摘ではありませんから、今までのものも使用できないわけではありません。ただ、部分切除した左胸は小さくなってしまっているので、今まで愛用していたブラジャーはほぼ全部すかすかになってしまいました(笑)。
左胸の位置もずれているので、ワイヤーの入ったタイプは特に引っ掛かりにくくなって(?)つけていて不快にしか感じなくなったり、特に感覚面の変化は大きかったですね。
今では、ビキニのトップのようにパットを入れるタイプの、綿や竹繊維のものを使っています。一昔前に流行った”寄せて上げる”なんて一体いつの話か・・・(遠い目)
さて、下着が変わると洋服のシルエットも変わります。特に胸元のラインがしっかり出るものや、襟あきの広いものは避けるようになりました。体のラインを拾う服も、やっぱり何となく抵抗感があるのですよね。
まあ、ボンッキュッポンッ、みたいなのはもともと素材的に無理なんですけど(笑)
同じように乳がんの手術をされた方はどうしているのかな、と調べてみても、やはりみなさんゆったりとしたシルエットの服を選んだり、カーディガンや小物でカバーするとか工夫されている様子です。まあ仕方ないことではあるのでしょうけど、どこか楽しくない。出かけるのもおっくうになりがちです。
やっぱり、カバーする、とか、隠す、とかいう気分で服を選んでいると、どうも「おしゃれを楽しむ」とか「うきうきする」いう方向から外れていくなあ、と思っていたときに、はたと思いついたのです。
着物を着ればいいんじゃない?!
着物はある意味”ずんどう”なシルエットが美しい衣装です。着崩れしやすくなるので、バストラインもむしろぺったんこにするのが望ましいくらいです。そうです、つまり胸のラインや体の線が出ない衣装なんです!!
私は以前から着物が大好きで、機会を見つけては愛用しているのですが、乳がんになったことでその魅力をあらためて再認識しているところです。
おまけに着物を着ていると「モテます」(断言)
今の日本では非日常な衣装となってしまった着物ですから、着ているだけでおでかけ感が出ます。実はフリーマーケットで購入した500円の着物と300円の帯だって(事実、その値段で買ったものあります)着ちゃえば全然わからないし、まったく問題なく褒めてもらえることが多いです。
この”褒めてもらえる”っていうのも、結構大事だと私は思うんです。乳がんに限らず病気になると、周囲はいろいろ気づかってくれますが、それはどこか「頑張った」ことに対するものになりがちです。
「すごいね」とか「頑張ったね」ももちろんうれしいけど、純粋に褒められることはなんだか減るんですよね。
褒め言葉はとても大事
女性だったらやっぱり「きれい」とか「素敵」とかの方向でも褒められたいじゃないですか。(お世辞であっても)
特に若いころのように”存在だけでもきれい”という時代が遠い昔になってしまった私のような世代には、そういうちょっとした嬉しい言葉を生み出すために、着物のような「ハレの衣装」はすごく有効だと思います。
着物といっても、別に正装する必要はないと思います。例えば浴衣とかウールとか手軽なものでいいと思いますし、せっかくなら箪笥の肥やしになっているちょっとした晴れ着を日常着にしてしまう、というのもあり。
最近では、着物は良いものでも売ってもほぼお金にならないことが多いですから、捨てるくらいならがんがん着ちゃっても全然もったいなくないと思います。
まじめな話、着物で生活していたころは婦人科系の病気は少なかったそうです。もちろん生活様式が違うので今と一概に比較はできませんが、帯を締めているのでおなか周りを冷やさないとか、帯以外締め付けるところがないので体の負担が少ないなどは事実のようです。
実際に、体のライン、特に上半身を強調したくない時には、着物って本当に優秀な衣装なんですよね。非日常感で気分も上がるし、それで褒められるなら一石二鳥、いや三鳥くらいの効果があるかも。
「乳がんになったら着物」うん、間違いない!
うーん、悩めるサバイバー仲間を救うためにも流行らせたいなあ。
手軽に着物を着てみたい方、海外で鍛えた自己流適当&簡単な方法ならいつでもお教えします!よかったら、是非私の着物ブログも見てみてください。