“頭痛があるのは当たり前”の日々を脱出するには、生活習慣の改善から。規則正しい生活や睡眠、軽い運動が頭痛を軽減します。
今回の話を伺った先生
頭痛専門医。「富士通クリニック」「東京クリニック」で頭痛外来を担当。日本頭痛学会理事を務めながら、頭痛専門医を育成、頭痛医療の研究と成果を国内外に発表
食事の間隔があくと、血糖値が下がることで頭痛の誘因になります。決まった時間に1日3食、一汁三菜などの栄養バランスのよい食事がベスト。糖質制限ダイエットなどで炭水化物を抜くと、糖の一種グルコースが不足して頭痛を誘発することも。
寝る1〜2時間前に38~40℃のぬるめの湯につかることを習慣に。ストレス解消と血行改善で、特に緊張型頭痛の人におすすめです。片頭痛の痛みがあるときは入浴を避けるように。片頭痛では患部は冷やしたほうが、痛みが軽減します。
しっかり睡眠をとることは、頭痛の原因となる心身の疲労やストレスを軽減するためにとても重要。寝不足でも寝すぎても頭痛を誘発します。また、合わない枕は眠りの質が低下するだけでなく、首や肩に負担がかかり、緊張型頭痛の原因に。
特にウォーキングなどの有酸素運動は、体内に新鮮な酸素が取り込まれるので、心身のストレス解消に役立ちます。血流がよくなるので緊張型頭痛にも、セロトニン神経を活性化するので片頭痛の人にもおすすめです。
頭痛外来はどんなことをするの?
頭痛のタイプに合わせて適切な治療を行います
問診や診察などで、頭痛を起こしているほかの病気がないかを判断。原因となる病気がない一次性頭痛の場合は、「頭痛ダイアリー」などから頭痛のタイプや起こるタイミングを探っていきます。例えば、片頭痛と緊張型頭痛では治療薬も痛みへの対処法も違ってきます。タイプに応じて、生活習慣の改善を行いながら、薬物療法で改善を目指します。
「頭痛ダイアリー」は頭痛の頻度、痛む場所や程度、日常生活にどの程度影響が出たか、服用した薬の効果などを日々記入。治療のため頭痛のパターンを探るのに役立ちます
イラスト/木下綾乃 構成・原文/山村浩子