医師で群馬大学名誉教授の山口晴保先生に、認知症治療で処方される薬は必ず飲まないといけないのか。納得のいく治療方法を選ぶために、セカンドオピニオンを活用した方が良いのかお伺いしました。
教えてくれた人
山口晴保さん
Haruyasu Yamaguchi
医師、群馬大学名誉教授、認知症介護研究・研修東京センター長、日本認知症学会名誉会員。脳βアミロイド沈着機序をテーマに30年にわたり病理研究を続け、その後、臨床研究に転向。より実践的な認知症医療・ケアに取り組んでいる。著書多数
「薬を飲む、飲まないは、本人が納得して決めることが大切です」と山口晴保先生。薬を飲む目的は“笑顔で過ごせる生活を少しでも長くすること”ですが、85歳以上の高齢になると、薬の効果が減り、副作用が増えるといわれています。
「例えば、90歳だったら、進行を遅らせる薬よりも、楽しい作業を増やしたり、軽い運動で記憶を司る脳の海馬を活性化するほうがよいでしょう。超高齢者では薬に頼らないという選択肢は十分あります」
よさそうな医療機関が見つかったら、ホームページで情報を得て、実際に受診してみましょう。
基本的には治療ガイドラインに沿って治療計画が立てられますが、医師によって考え方が違う場合があります。
納得できない場合は、1カ所で決めずに複数の医師の意見を聞いてもよいでしょう。
「何より重要なのは、医師との相性と治療方針に納得できるかどうか。話しやすいこと、信頼できると思える医師であることが大切です」
写真/高橋ヨーコ 取材・原文/山村浩子