「ダイエットのため」「便秘解消のため」「健康のため」頑張って実践していることが、実はあなたの食物繊維不足を助長しているかも…。こんな食事の習慣、ありませんか? 今一度、食生活を見直してみて!
お話を伺ったのは
青江誠一郎さん
Seiichiro Aoe
大妻女子大学家政学部 食物学科教授。日本食物繊維学会理事長。雪印乳業技術研究所研究員などを経て現職。近著に『最強! 毒出しごはん』(河出書房新社)
間違っていない? あなたの食事
「時間がない」や「ダイエットのため、いちばん抜きやすいから」などの理由で朝食を食べない習慣は、特に若い世代に多い傾向が。
「1日3食のうち、1食抜くだけで、食物繊維の摂取量もかなり減ってしまいます。むしろ、朝食に食物繊維の豊富なものを食べると、“セカンドミール効果”によって、ダイエットや健康増進効果が高まります」
大ブームとなった糖質制限ダイエット。それを実践して、炭水化物を控えている人も少なくありません。
「しかし、炭水化物は糖質+食物繊維がおもな構成成分。糖質を抑えようとご飯やパン、麺類などの穀類やいも類を控えると、同時に食物繊維量も減ってしまいます。豆類やきのこ、海藻などで補充する工夫が必要です」(青江誠一郎先生)
美容&健康ブームの後押しで、野菜サラダを積極的に食べる習慣が浸透。しかし、それで食物繊維も十分とれている…と思ったら勘違い!
「レタスなどの生で食べる野菜は水分が多く、大量に食べるのが難しいこともあり、それだけで十分な食物繊維はとれません。野菜でも食物繊維が豊富なものを選んで、温野菜で食べるといいでしょう」
日本女性にとって、年齢を問わず深刻なのが「便秘」。その解消や腸活を目的に、毎日ヨーグルトを食べている人も多いのでは?
「もちろんヨーグルトで乳酸菌などを取り入れることは有効です。しかし、それだけでは十分でなく、腸内の善玉菌を元気にするために、そのエサになるものが必要です。それが食物繊維で、特に水溶性食物繊維が大切です」
イラスト/斎藤直樹(ベリーマッチデザイン) 取材・原文/山村浩子