パソコンやスマホなどで、知らず知らずのうちに目を酷使している現代の生活。目の健康にいいのはどっち? のクイズ形式で楽しく学んでいきましょう!
お話を伺ったのは
平松 類さん
Rui Hiramatsu
日本眼科学会認定眼科専門医、医学博士。二本松眼科病院副院長。わかりやすい解説でメディアでも活躍。著書多数
Q PCのモニターは…
A明るめ or B暗め
答えはB。
「目にダメージを与える要因のひとつは、目に入る“光”の量です」と平松類先生。
昔の人は太陽が昇って起床し、沈めば暗い中で自然と目を休めることができました。しかし、現代は夜でも明るい状態で、さらにそこに拍車をかけるのが、パソコンやスマホ。日々、光過多の状態です。
「少しでも目への負担を減らすためには、パソコンのディスプレイは明るすぎないほうがいいでしょう。目安はパソコンを購入した時点で設定されている明るさの7~8割程度で、少し暗くするのがおすすめです」。
目の健康を考えるなら、ディスプレイを少し暗めにして、室内は明るく、両者が同じくらいの明るさにするといいとのことです。
Q 視力アップには目の筋肉を…
A鍛える or B緩める
答えはB。
最近は眼トレと称して、目の筋肉を鍛えよう! といわれていますが、「実は、鍛えるというより、まずは“緩める”ことが大切なんです。目の老化は、ピントを合わせるときに働く毛様体筋が疲労することで早まります。
この小さな筋肉を休ませるのに有効なのが、老眼鏡をかけて遠くを見ること。すると視界がぼやけますよね? このピントが合わない状態が毛様体筋を“緩める”ことになり、視力アップにつながります」
Q 目の乾燥には…
A目薬が必須 or B必ずしも必要ない
答えはB。
昨今では目の使いすぎなどで、目の乾燥を訴える人が増えています。
「涙はさまざまな刺激から目を守る働きをしていますが、その量が減ったり質が低下すると、風や光、ほこりなどの刺激で簡単に眼球に傷がついてしまいます。
それを補うために、目を保湿する目薬を使う場合もあります。しかし、それに頼らなくても、パソコンの時間を減らしたり、目のまわりの血行を促進して改善することは可能です。
特に充血止めや抗菌剤を含む目薬の長期使用はNG。使用するなら防腐剤無添加の目に優しいものを。疲れ目解消には、シアノコバラミンというビタミンが含まれているものがいいでしょう」
Q アイメイクは落とし方が大事!
AYES or BNO
答えはA。
メイク落としにはクレンジング剤を使う人も多いですが、「オイルタイプのメイク落としには界面活性剤が含まれていることが多く、これが目に入ると、涙の油分まで取ってしまうことがあります。
とはいえ、アイメイクを完全に落とすことも大切です。目のきわにメイク成分が残ると、まつ毛ダニがすみついて、かゆみや炎症の原因になったり、まつ毛が短くなることも。
私がすすめているのは、アイシャンプーです。涙の成分を考慮してあり、目元まで洗えます。落ちない場合は、綿棒などを使って目のきわまできれいすることを心がけて」
イラスト/macco 構成・原文/山村浩子