目の老化を遅らせ、健やかに保つポイントは、血行促進と毛様体筋の休息。2つのポイントに効果があるアイケア術を、医学博士の平松類先生に教わりました。
お話を伺ったのは
平松 類さん
Rui Hiramatsu
日本眼科学会認定眼科専門医、医学博士。二本松眼科病院副院長。わかりやすい解説でメディアでも活躍。著書多数
疲れ目はホットマスクで血行促進
「まず毎日実践してほしいのは、目を温めて、一日の疲れをその日のうちに解消することです。特に女性は目のまわりの血流が悪くなりやすく、“目の冷え症”になりがち。すると涙の質も悪くなり、白目がくすんだり、肩こりや頭痛の原因にもなります」(平松類先生)
タオルを水で濡らして軽く絞り、形を整えてから、電子レンジで温めます。600Wで40秒程度、40℃前後が適温です。これを、目をつぶったまぶたの上に乗せてしばらく置きます。タオルは2本用意して、冷めたら新しいものに交換し、5分を目安に。電子レンジによって温まり方が異なるので、やけどには十分注意して。
目のまわりを温めることで、血行が促進。目の疲れが癒され、温まることで涙の油分が溶けて質もアップ。
目のストレッチで毛様体筋を緩める
「特にスマホやパソコンなど、近くを見る時間が長い人は、ピントを合わせるときに働く毛様体筋がつねに緊張している状態です。こった筋肉はストレッチでほぐすことが大切です」と平松類先生。
肩こりや脚の疲れをストレッチで取るのと同じですが、目の筋肉はどうすれば伸ばせるのでしょうか? 「それには、遠くと近くを交互に見ることです」と平松類先生。
まず手元から遠くの景色に視線を移します。このとき、何かを凝視するのではなく、ぼうっと見るのがポイント。この状態が、毛様体筋が伸びている状態です。
しばらくしたら再び手元の近いところに視線を戻し、なんとなくピントを合わせます。これを10回ほど繰り返します。
遠くの景色などをぼんやり見て、手元に視線を移す。これを交互に繰り返します。目が疲れたと思ったときに行いましょう。
イラスト/macco 構成・原文/山村浩子